グラジオラス及びオキザリスにおける母球の植え付け深さがけん引根及び子球の形成•肥大に及ぼす影響
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概要
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母球の植え付け深さがけん引根と子球の形成•肥大に及ぼす影響を明らかにしようとした.1. グラジオラスでは植え付け深さ0cm区において, けん引根はいずれも0.5cmの長さで先端が褐変し, 伸長•肥大が極端に抑えられた. 深植えの15, 30cm区ではけん引根は若干伸長したが, その肥大は0cm区と同じく極端に劣った. 一方標準深さの5cm区のみはけん引根の伸長, 肥大, 収縮ともに正常に進行した. オキザリスはグラジオラスと異なり, 母球底盤部から1本のけん引根を発生する. けん引根の伸長•肥大は4〜12cm区では小差ながら深植え区ほど良好であり, 0cm区でも4〜12cm区の約半分の肥大を示し, いずれも順調に収縮した.2. 子球の肥大はグラジオラス, オキギリスとも, けん引根のそれと同様, 0cm区が終始劣った. オキザリスでは, 子球の肥大はけん引根の収縮とよく対応し, 最終重で深植え区ほど勝った. 一方, グラジオラスでは, けん引根の肥大がほとんどみられなかった30cm区で肥大が明らかに劣ったが, 同15cm区では肥大が優れ, 小差ながらけん引根の肥大•収縮が順調であった5cm区よりも優れた.このように子球の最終重はけん引根の肥大•収縮が最も優れた浅植え区で最大になるとはかぎらず, またその初期肥大においても浅植え区が特に勝ることはなかった. このことは, けん引根の寄与率の大小は別として, その肥大•収縮をもって子球肥大のトリガーと考えることは必ずしも適当でないことを示すものであろう.
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