イチゴにおける14C光合成産物の転流•分配に及ぼす花房の発育段階の影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
イチゴの花房の発育に伴う14C光合成産物の転流•分配について調べた.1. 果実の着色期に14CO2を施与した場合, 全転流率は6時間後で38%, 16時間後で50%に達して, 当座の転流をほぼ終わった. また転流分の90%前後が果実に分配された.2. 開花前に14CO2を施与した場合, 17時間後の全転流率は20%以下であったが, 肥大期及び着色期の施与ではそれぞれ39%, 52%と増加した. また, 開花前施与で約40%が根に, 20%が花房に分配されたのに対し, 肥大期及び着色期の施与では根への分配はわずか2%にすぎず, 花房への分配率が47%及び86%と増加した.3. 第一次枝梗花内での分配をみると, 花托への分配率は出蕾期に66%に増加した後も続いて増加し, 着色期には89%に達したが, その間, 肥大期に一時的に30%に低下した. その低下に対応して種子への分配率が68%に高まったが, 着色期には9%に激減した.4. 1花房内の第1次, 第3次枝梗花の間で, 14C光合成産物の取り込みに競合が認められた.5. 1個の花においては, 開花期に一時的にシンク活性が低下することが認められた.
- 園芸学会の論文
著者
関連論文
- パフィオペディルム属における種子発芽と幼苗分化のための最適 in vitro 培養条件
- リンゴ3品種, ‘スターキング•デリシャス’, ‘ふじ’及び‘陸奥’の着色特性及びアントシアニン生成とL-フェニルアラニンアンモニアリアーゼ活性との関係
- ヤナギの挿し木における発根の難易について
- ソースおよびシンク葉の摘除ならびに暗黒処理がトマトにおけるソース•シンク関係に及ぼす影響
- グラジオラス及びオキザリス (Oxalis bowieana Lodd.) におけるけん引根の肥大•収縮と子球の肥大について
- イチゴにおける14C光合成産物の転流•分配に及ぼす花房の発育段階の影響
- トマトにおける光合成産物の花房内の果実間分配と果実肥大に対する葉位の役割
- トマト果実肥大期における光合成産物の転流分配に及ぼす生長調整物質 (4-CPA) の影響
- トマトにおける光合成産物の分配パターンと維管束配列の相互関係に関する研究
- イチゴの栄養生長期から休眠期にかけての光合成と光合成産物の転流•分配
- 栄養生長期のイチゴの葉からの14C光合成産物の転流における葉齢と葉位の影響
- ナスの葉の発育と光合成能力に関する研究
- グラジオラス及びオキザリスのけん引根に貯蔵された光合成産物の子球への再転流について
- グラジオラス及びオキザリスにおける母球の植え付け深さがけん引根及び子球の形成•肥大に及ぼす影響
- 生育温度がグラジオラス及びオキザリス (Oxalis bowieana Lodd.) のけん引根及び子球の形成•肥大に及ぼす影響
- トマトにおける光合成産物の転流〔資料〕