生育温度がグラジオラス及びオキザリス (Oxalis bowieana Lodd.) のけん引根及び子球の形成•肥大に及ぼす影響
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概要
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1. グラジオラス, オキザリスともに, 地上部の生育は30/24°C(昼/夜温) で促進され, 特にオキザリスでは子球の形成がなく, 開花, 展葉が続いた. 17/12°Cの低温では, 明らかに地上部の生育が抑えられ, 特にオキザリスでは葉数, 葉面積の増加はほとんどなく, 開花もみられなかった. 24/17°Cの中温では地上部と地下部の均衡のとれた生育がみられた. 地, 気温を分離設定したグラジオラスの場合, 低地温区ほど地上部の生育がよく, このような地温の影響は高気温より中気温下で著しかった.2. けん引根数には, 気•地温の別なく, 温度の影響はほとんど認められなかった. しかしけん引根の伸長•肥大は低温区ほど早く進み, 肥大最高時の根重ならびに収縮に伴う根重の減少は, 低_??_中>高温の順となり, 特にオキザリスでは高温で肥大が全くみられなかった. グラジオラスでは高温区で肥大後腐敗するものが多くみられた. 高温下で子球の形成•肥大は劣り, 特にオキギリスでは子球は全く形成されなかった. グラジオラスでは, 地•気温を分離設定することにより, 上記温度の影響は専ら地温の影響によるものと判断された.3. けん引根収縮初期の乾物重の急減と, 子球の肥大初期の乾物重増加とは, 時期的におおむね一致した. そこで前報(1)におけると同様, その時期におけるけん引根の子球肥大に対する寄与率を計算した結果, オキザリスで56〜59%と著しく高く, その値は温度によって変らなかった. 一方, グラジオラスではオキザリスに比べて著しく低く, かつ温度によって相違し, 低温で比較的高かった.
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