ヤナギの挿し木における発根の難易について
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概要
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一般に発恨が容易とされるヤナギ属にも, 発根の困難な種があることを確認し, 発根の容易なコリヤナギと発根の困難なヤマネコヤナギの比較において, 発根率の季節的変化を検討した. また, 発根率の季節的変化を起こす原困として, 内生オーキシン様物質の活性の変化, 総フェノール量の変化, 水抽出物の活性の変化について検討した.1. 6種のヤナギを供試し, それぞれの発根能力を検討した結果, 隆起線のないコリヤナギ, シダレヤナギなどは極めて発根が容易であったが, 隆起線をもつヤナギの中には, ヤマネコヤナギ, キツネヤナギのように発根の困難な種が認められた.2. 発根の容易なコリヤナギでは, 周年高い発根率を示した. 発根の困難なヤマネコヤナギにおいて, 水20時間浸漬処理区の発根率は常に低かったが, NAA 20ppm20時間浸漬処理区の発根率は, 6〜10, 2, 4月が高く, 季節的な変化が認められた.3. 発根の難易について, 内生オーキシン様物質の活性との関係を調べたが, 発根の容易なコリヤナギが困難なヤマネコヤナギに比べて活性が常に高いという傾向はみられなかった. 一方, 水抽出物の発根促進活性は発根の容易なコリヤナギが常に高かった.4. ヤマネコヤナギでは, NAA 20ppm処理区の発根率と内生オーキシン様物質の活性との間に, それらの季節的変化の中で, 高い相関が認められたことから, 内生オーキシン様物質の活性の変化が発恨率の季節的変化の一因と考えられた. しかし, コリヤナギの水処理区では上記の相関は認められなかった. 一方, コリヤナギとヤマネコヤナギの発根率と総フェノール量及び水抽出物の発根促進活性との間には, ヤマネコヤナギのNAA20ppm処理区の総フェノールを除いて有意の相関はなかった.
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