12月から加温したブドウ‘マスカット•オブ•アレキサンドリア’ 成木の発芽, 新梢生長及び花穂発育に及ぼす地中加温の効果
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概要
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根域を制限して養成したブドウ‘マスカット•オブ•アレキサンドリア’6年生樹について, 12月から加温するとともに地温を13, 20, 27°Cの3段階に調節し, 樹体の生育に及ぼす影響を調査した. また, 地上部だけの高温やせん定部位へのニンニク汁液の塗布による発芽促進処理と地温処理を併用した場合の影響についても併せて検討した.1. 地温だけの処理では, 13°C区よりも27°C区で発芽が早く, 新梢生長や花穂発育も優れた. 加温前18日間, 地温だけを20°Cに維持し, その後加温と同時に27°Cに保った20-27°C区の発芽, 新梢生長及び花穂発育は27°C区と同様に優れたのに対し, 20°C区では著しく劣った. 発芽率の処理区間での差は小さかったが, 芽座当たりの発芽数は13°C区よりも27°C区で多かった. 新根の発生は20-27°C区で最も早く, 次いで27°C区, 20°C区の順で, これらはいずれも発芽前に発根した. 一方, 13°C区の発根は著しく遅く, 発芽約2週間後であった.2. 地上部だけの高温処理やニンニク汁液の塗布処理の発芽促進処理を行った場合, いずれの地温条件でも発芽が促進され, 特にニンニク処理による促進効果が著しかった. ところが, 花穂の発育は地温条件により著しく異なり, 27°Cで発芽促進処理をした27G区と27H区の花穂は先端まで完全に小花を分化したのに対し, 13°Cで発芽促進処理をした13G区と13H区では花穂の発育が著しく劣り, 特にニンニク処理により発芽が促進された13G区の花穂発育は不良で, したがってこの区の花穂当たりの小花数は最も少なかった.3. 結実率には処理区間での差はみられなかった. 地温の調節は各区とも満開後約3週間で終了したが, 収穫時の果粒は27°Cの各区で大きい傾向であった. 糖及び酸含量には処理区間での差は認められなかった.
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