Microcerasusを中心とするPrunus属果樹の種間交雑
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概要
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Prunus 属果樹の媛性台木の育成を目的として, ニワウメ及びユスラウメを中心に, その他の Prunus 属果樹との種間交雑を試み, それらの交雑親和性及び得られた実生の形態的特徴などについて調査を行った. 結果の概要は以下のとおりである.1. ニワウメを種子親とした場合, モモ, アンズ, ウメ及びスモモとの交雑で, 比較的高い結実率が得られた. これに対して, ウエスタン•サンドチェリー及びユスラウメとの交雑では, 結実率はあまり高くなかった.また, 甘果オウトウとの交雑では, 結実はほとんど認められなかった.一方, ユスラウメを種子親とした場合には, ウエスタン•サンドチェリーとの交配で比較的高い結実率が得られたが, その他の種との交配では, 結実はほとんど得られなかった.ウエスタン•サンドチェリー及びヤセイモモを種子親とした場合には, すべての組合せについて結実はほとんど認められなかった.2. 一般に, 自家受粉に比べ, 種問交雑では, 花柱内の花粉管の伸長は, 緩慢であったが, 結実率の高かった組合せでは, 受粉後6〜10日目には子房上部にまで達していた. これに対して, 甘果オウトウの花粉は, 受粉後も柱頭あるいは花柱上部にとどまるものが多く, 花粉管の先端が肥大しているものも多く認められた.3. 各々の交配で得られた種子の発芽率は比較的高かったが, 実生は幼苗段階で枯死するものが多く認められた. 発芽後1年を経過して生存している個体は, ニワウメ×ヤセイモモ, ニワウメ×アンズ, ニワウメ×スモモ, ニワウメ×ウエスタン•サンドチェリー及びユスラウメ×ウエスタン•サンドチェリーであった. これらの個体は, 両親の形態的特徴をよく示し, その一部は開花に至った.
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