ジベレリン処理によるブドウ‘マスカット•ベーリーA’の無核果生産の安定化に関する研究 (第2報) : ジベレリン処理に伴う奇形果の発生について

概要

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ジベレリン処理によるマスカット•ベーリーAの果粒の無核化に際して, 成熟果の内部に熟度の異なる異常組織を有する奇形果の発生が観察された. そこで, 異常組織の発生状態, 発生割合及び発生に影響を及ぼす2, 3の要因について検討した.1. 異常組織部分の形状は球形, 紡錘形及び棒状のものが観察され, その外部は緑色の果皮状の組織に包まれていた. ジベレリン処理果では球形及び紡錘形のものが多く, 無処理果では棒状のものが主であった.2. 異常組織を含んだ果粒を奇形果として, その発生割合を調査すると, ジベレリン処理果に発生が多くみられた. また, 新梢の勢いの強い花穂及び完全両性花に発生が多く10数%の割合で発生した. 一方, 新梢の勢いの弱い花穂及び不完全両性花には発生が少なかった. 無核果率と奇形果の発生との間には1%レベルで正の相関がみられ, 無核果率の低い開花22日前ジベレリン処理では発生が少なく, 無核果率の高い開花12日前処理で多く発生した. そして, 奇形果は無核果に発生が多く, 又子室数が3室の果粒に多く発生した.3. 奇形果の徴候は既に開花時の小花にみられ, 胎座中央部に突起状の組織が発生した. この異常組織は雌ずいの大きい小花ほど発生が多く, 大部分は突起状であるが, 一部には花冠, 雄•雌ずいなどの花器を分化しているものが観察された. そして, 硬核期, 及び成熟期には小花状のものや, 胚珠, 及び種子を有し, 組織構造も正常果と類似した奇形果がみられた.
園芸学会の論文

ジベレリン処理によるブドウ‘マスカット•ベーリーA’の無核果生産の安定化に関する研究 (第2報) : ジベレリン処理に伴う奇形果の発生について

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