高速帯融精製装置の試作とかき混ぜ効果
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
帯融精製試料管に正逆両方向の高速回転を与え,その回転速度と正逆回転の時間を連続的に変化できる,Bollenらの提案した原理に基づく高速度帯融精製装置を製作し,試料管の回転状態およびかき混ぜ効果を検討した.試料管に直結した電動機は入力電圧の極性を逆転すると約0.07秒で停止状態になり,その後逆方向への回転を始め,約1.5秒で定常回転状態になった.大量のナフタレン中に微量のアゾベンゼンを混合した系を用いてSorense獄法により有効分配係数,<I>k</I>の値を求め,本装置による試料のかき混ぜ効果を検討した.<I>k</I>値は試料管の回転速度の時間変化率とその持続時間の積に依存しており,試料管の最高到達回転速度<I>n</I><SUB>rps</SUB>および正逆回転の周期<I>T</I>秒では<I>k</I>=1/{1+exp(<I>A</I>-<I>Bn</I><SUP>-1/2</SUP>)}(T≦0.1秒),<I>k</I>=1/[1+exp{<I>A</I>-<I>B</I>(<I>n</I>/<I>T</I>)<SUP>-1/2</SUP>}](T>1.0秒)で表わされた(<I>A</I>,<I>B</I>は定数).本装置におけるかき混ぜ効果は<I>T</I>=1.0秒で最大となり,<I>T</I>の値がこれより大きい範囲ではかき混ぜ効果はしだいに小さくなって,定常回転状態ではほとんど期待できないことがわかった.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
著者
-
吉田 烈
崇城大学工学部応用化学科
-
小林 宏
九州大学工学部
-
吉田 烈
九州大学工学部合成化学教室
-
上野 景平
九州大学工学部
-
上野 景平
九州大学工学部合成化学教室
-
小林 宏
九州大学工学部合成化学教室
関連論文
- 立体構造を固定したカリックス[n]アレーン(n=6, 8)担持シリカゲル粒子の金属イオン選択吸着性
- p-ニトロカリックス[6]アレーンの性質とウラニルイオンとの反応性(若手研究者の初論文特集)
- 塩化トリオクチルメチルアンモニウムを含むゲルカラムによるフェリシアンイオンの分離濃縮
- 25,26,27,28-テトラハイドロキシカリックス[4]アレーン-5,11,17,23-テトラスルホン酸ナトリウムを用いるマンガン(II)の吸光光度定量法
- リン酸水素ビス(2-エチルヘキシル)担持 XAD-7 樹脂を用いる希土類イオンのカラムクロマト分離
- 若干のキレート樹脂の希土類イオン吸着特性と相互分離への応用
- 原子吸光光度法によるハフニウムの定量法
- ゾーンメルトクロマトグラフ法による金属キレートの分離
- ビス(アセチルアセトナト)ベリリウム(II)の帯融精製
- ヒドロキシカリックス[4]アレーン-p-スルホン酸ナトリウムと塩化トリオクチルメチルアンモニウムを用いるマンガン(II)の抽出光度定量法
- スルホンアミド型キレート試薬.2-(メタンスルホンアミドメチル)ピリジン及び2-(トリフルオロメタンスルホンアミドメチル)ピリジンの合成と金属キレートの安定度定数
- 1-(2-ピリジルアゾ)-2-ナフトールを含むゲルカラムによる微量重金属イオンの簡易分析法
- 6-ブロモ-2-ベンゾチアゾリルアゾ-2-ナフトールを含むゲルカラムによる微量カドミウムイオンの簡易分析法
- 希硫酸のpH及び導電率の土壌添加による変化とその土壌の酸中和容量測定への応用
- 種々の果汁中の金属成分とその濃度に関する研究
- 原子吸光法による天然水中のカルシウムの定量における塩化ランタン添加量の低量化
- 5-スルホサリチル酸とメチルトリオクチルアンモニウム塩化物を用いるTi^とZr^の溶媒抽出
- 水溶性カリックスアレーンとメチルトリオクチルアンモニウム塩化物を用いるZr4+マトリクス中のTi4+の高選択的溶媒抽出精製法
- フローインジェクション分析の反応管内の流れを栓流に近付けるための回転かくはん技術の開発
- 水溶性カリックスアレーンによるジルコニウム(IV)およびハフニウム(IV)の沈殿生成反応とジルコニウム(IV)の精製への応用
- 水溶性カリックスアレーン金属錯体の合成と性質
- 50,51,52,53,54,55-ヘキサヒドロキシカリックス[6]アレーン-5,11,17,23,29,35-ヘキサスルホン酸ナトリウムを用いるチタン(IV)の吸光光度定量
- 超微量連続フローを用いる分析方法の開発
- リン酸水素ビス(2-エチルヘキシル)担持粒子を用いる希土類元素イオンのフラッシュカラムクロマトグラフィ-分離
- 塩化第二鉄水溶液中の遊離塩酸の定量法について : JIS K 1447の再検討
- リン酸塩担持ポリアクリルアミド球状粒子の調製とナトリウム及びリチウムの吸着挙動
- チオシアン酸イオン担持型イオン交換樹脂による塩化物イオンの吸光光度定量
- 酸化ジルコニウム(IV)を用いる水中微量リン酸イオンの前濃縮法
- 二分子膜形成能を持つ長鎖アルキル4級アンモニウム及びスルホニウム塩のコロイド滴定
- 液体膜によるイオンの選択的分離
- 分析化学--レ-ザ-ラマン法の分析化学的応用 (1978年の化学-6-)
- キレート試薬(試薬 : 試薬の知識)
- ジチゾンゲルによる水銀(II)の選択的分離と濃縮
- 分析化学における陽イオン界面活性剤の応用
- テトラフェニルホウ素ナトリウム : その分析化学的応用(その2)
- テトラフェニルホウ素ナトリウム : その分析化学的応用(その3)
- テトラフェニルホウ素ナトリウム : その分析化学的応用(その1)
- キレート滴定法 : 主として選択性の向上について
- キレート滴定法をめぐる最近の話題 : 本会第2回総会(昭和36年3月31日)における特別講演
- ジチゾンゲルによる重金属の抽出及び予備濃縮
- o-ヒドロキシベンジルニトリロ二酢酸を用いる鉄(III)の吸光光度定量法
- チオエーテル化合物のいんぺい作用および各種チオール誘導体のいんぺい能の比較 : キレート滴定におけるいんぺい剤の研究(第5報)
- 定量分析化学系学生実験における質量測定法
- 3-アルキルアセチルアセトン金属キレートのガスクロマトグラフィー
- 2-ニトロソ-5-(N-プロピル-N-スルホプロピルアミノ)フェノールを用いるコバルトの吸光光度定量
- 馬鹿とはさみ
- 直鎖ポリオキシエチレン化合物によるランタノイドイオンの液-液抽出
- 種々の鉄(3)担持型陽イオン交換樹脂によるリン酸イオンの吸着
- 分析化学--高速度ゾ-ンメルト法 (1975年の化学-2-)
- 分析化学--キレ-ト性粒子による金属イオンの選択的捕集と分離 (1974年の化学-1-)
- 高速帯融精製装置の試作とかき混ぜ効果
- 10 有機化合物のゾーンメルト法
- ゾーンメルト法の金属キレート系への応用
- 1 分析試薬
- キレート滴定におけるアセチルアセトンのいんぺい作用 : キレート滴定法に関する研究(第1報)
- コンプレクサン型キレート剤合成の進歩
- ヒドロキシナフトールブルー(HNB)指示薬を用いるカルシウム,マグネシウムの連続キレート滴定
- TTHAによるキレート滴定
- 1 分析試薬
- 中空キャピラリーカラムを用いる超微量液体クロマトグラフィーについて
- 液体膜によるイオンの選択的分離
- 1-(2-ピリジルアゾ)-2-ナフトール及び1-(2-チアゾリルアゾ)-2-ナフトールを含むゲルカラムによる重金属の抽出,濃縮,分離
- 分析化学におけるキレート化合物の応用
- 21.Thunbergeneの構造
- クロラニール酸およびその金属塩の分析試薬としての応用
- 二波長分光測光法によるポリスチレン-デュレン混合物中のポリスチレンの定量(ノート)
- アミノアセトン二酢酸(AADA)を用いる鉄(III)の吸光光度定量
- タイトル無し
- NN指示薬を用いるカルシウムの光度滴定
- タイトル無し