1-(2-ピリジルアゾ)-2-ナフトールを含むゲルカラムによる微量重金属イオンの簡易分析法

概要

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架橋ポリスチレンビーズ{ジビニルベソゼン2%,乾燥時粒径(70〜100)メッシュ}を1-(2-ピリジルアゾ)-2-ナフトール(PAN)の0.01%クロロペンゼン溶液に24時間浸せきすると,ポリスチレン粒子は膨潤ゲル化する.この黄色のゲル粒子を内径2.5mm,長さ120mmのガラスカラムに100mmの長さに充てんして分析カラムを調製する.重金属を含む試料溶液にロッセル塩を加えアンモニア-塩化アンモニウム緩衝液でpH10とし,上記の分析カラムに0.2ml/minの流速で流すと,試料中の重金属(鉛,カドミウム,銅,コバルト,亜鉛)の量に応じ,流入端から赤色ないし赤紫色に変化する.変色帯の長さは流入した重金属の全モル数に比例するので,一定量の試料溶液を流した後,変色帯の長さを測定し,あらかじめ作成した検量線から重金属の全濃度を求める.(1〜20)μMの重金属溶液を流速0.2ml/minで4ml流したときの変色帯の長さは(10〜100)mmで,相対誤差(±5〜±10)%で定量できる.この条件ではアルカリ金属,アルカリ土類金属,鉄,アルミニウム,クロム(III),銀,水銀などは呈色せず,ニッケル,マンガン(II)は抽出速度が小さく明りょうな変色帯は現れない.各種環境水,上水などに応用し好結果を得た.
1980-08-05