酸化ジルコニウム(IV)を用いる水中微量リン酸イオンの前濃縮法
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概要
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高価な装置を用いない簡易環境分析法開発の一環として, 酸化ジルコニウムを用いる水中微量リン酸イオンの前濃縮法を開発した.まず, 二塩化酸化ジルコニウム(IV)溶液をアンモニア水で中和し, 引き続き室温で12時間混合し生成した水酸化ジルコニウムを濾過, 洗浄し次いで800℃で焼成して酸化ジルコニウムを調製した.この1.0gを水100mlに懸濁させた後, 直径47mmのメンブランフィルター上にて吸引濾過し, 厚み1mmの酸化ジルコニウムベッドを作った.これにpHを3〜9.5に調製した試料水を(最大101), 吸引濾過により通水し酸化ジルコニウムベッドヘリン酸イオンを吸着させる.次いで1.0mol dm^<-3>水酸化ナトリウム溶液50mlを通液しリン酸イオンを脱離し回収する.この方法におけるリン酸イオンの吸脱着は酸化ジルコニウムに対するリン酸イオンと水酸化物イオンとの競争反応に基づくもので, 極めて速い可逆的反応であり, 本吸引濾過フロー方式は繰り返し多数の試料を取り扱うことができる.本法を天然試料に応用したところ定量的な濃縮と回収が行われ良好な分析結果が得られた.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1994-12-05
著者
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