カテコール-4-スルホン酸によるアルミニウムの紫外部吸光光度定量
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概要
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加水分解反応生成物(ヒドロキソアルミニウム錯体)の溶存状態分析法を確立するための基礎として,カテコール-4-スルホン酸{PCS:(OH)<SUB>2</SUB>PcNa}によるアルミニウムの発色反応について検討した.PCS錯体の組成は,pH4.5〜6.0で1:1,pH 6.5〜8.5で1:2,pH 9以上では1:3であり,その安定度定数はそれぞれlog<I>K</I><SUB>1</SUB>=16.5,log<I>K</I><SUB>2</SUB>=12.8,log<I>K</I><SUB>3</SUB>=8.19(25.0±0.1℃,0.10<I>N</I>硝酸カリウム)である.また,酸性錯体も生成するがその存在割合は小さい.定量には1:2錯体{Al-(O<SUB>2</SUB>Pc)<SUB>2</SUB><SUP>3-</SUP>}を利用した.1:2錯体は波長255mμと298mμとに吸収極大を持ち,吸光度はpH7.0〜8.5で極大値をとる.1:2錯体の分子吸光係数(298mμ)は1.25×10<SUP>4</SUP>であり,定量条件(pH 7.0)における感度は0.0023μgAl/cm<SUP>2</SUP>である.Al<SUP>3+</SUP>との反応速度はきわめて大きく,室温において反応は40秒間以内に平衡に達した.また,その錯体は安定であり,吸光度は10時間以上一定であった.<BR>以上の結果により,PCSは,加水分解生成物中の多核錯体と単核錯体とをPCS錯体生成速度の差によって判別し定量するための試薬として,じゅうぶんな性能を持つことがわがった.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
著者
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青村 和夫
北海道大学工学部
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四ツ柳 隆夫
北海道大学工学部工業分析化学第二講座
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工藤 保男
北海道大学工学部工業分析化学教室
-
四ツ柳 隆夫
北海道大学工学部工業分析化学教室
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四ツ柳 隆夫
北海道大学工学部
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青村 和夫
北海道大学
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