水銀(II)-MTB錯体とゼフィラミンとを用いる微量ハロゲン化物イオンの同時抽出吸光光度定量
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概要
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水銀(II)-メチルチモールブルー錯体とハロゲン化物イオンとで混合配位子錯体を生成させ,さらにゼフィラミンとイオン会合体を生成させてクロロホルム相に抽出し,その吸光度を測定することにより微量ハロゲン化物イオンの同時吸光光度定量法を確立した.すなわち,ハロゲノ混合配位子錯体のイオン会合体のクロロホルム相への抽出pH範囲および見かけのモル吸光係数はハロゲン化物イオンにより異なるので,pH7.0,8.5,10.0での抽出後の有機相の吸光度(<I>A</I><SUB>s</SUB>)を測定し,さらにそれぞれのpHでのそれぞれの錯体の見かけのモル吸光係数(ε)を求め,次式を解くことによりハロゲン化物イオンの濃度(C)を求める(添字1,2,3はそれぞれpH7.0,8.5,10.0での値).<BR>{<I>A</I><SUB>S<SUB>1</SUB></SUB>=ε<SUB>Cl</SUB><SUP>1</SUP><I>C</I><SUB>Cl</SUB>+ε<SUB>Br</SUB><SUP>1</SUP><I>C</I><SUB>Br</SUB>+ε<SUB>I</SUB><SUP>1</SUP><I>C</I><SUB>I</SUB><BR><I>A</I><SUB>S<SUB>2</SUB></SUB>=ε<SUB>Br</SUB><SUP>2</SUP><I>C</I><SUB>Br</SUB>+ε<SUB>I</SUB><SUP>2</SUP><I>C</I><SUB>I</SUB><BR><I>A</I><SUB>S<SUB>3</SUB></SUB>=ε<SUB>Br</SUB><SUP>3</SUP><I>C</I><SUB>Br</SUB>+ε<SUB>I</SUB><SUP>3</SUP><I>C</I><SUB>I</SUB><BR>また,ハロゲン化物イオンのいずれかが40倍程度まで含まれているときには,抽出有機相を洗浄液で1〜2回洗うことにより検量線より求めることができる.<BR>妨害イオンとして陰イオンではシアン化物,チオシアン酸,チオ硫酸の各イオンがあるが,これらは過酸化水素水で前処理を行なうことにより除くことができた.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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