キトサンを塗布した双型水晶発振子を用いる銅(II) の定量
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概要
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本研究では別々に発振する二つの片面電極分離型水晶発振子を用いて双型水晶発振子を構成し,片方には機能性膜としてキトサンを塗布して,溶液中の振動数挙動を考察するとともに銅 (II) 選択性センサーを開発した.キトサン塗布により生じる振動数差は,もう片方には被検体を付着しない,溶液中で同じ振動数挙動を持つ酢酸セルロースを塗布して制御した.双型水晶発振子上に膜を塗布したときの振動数挙動を詳細に検討した結果,液性や温度の影響を除去できることが分かった.被検体の付着によって二つの水晶発振子の間に振動数差が生じる.キトサンを塗布した双型水晶発振子の銅(II) の選択的付着に対する最適条件を検討し,振動数変化量は銅(II) の濃度に比例した.一般に水晶振動子上へ物質が付着すると質量増加につれて水晶発振子の振動数が減少するはずであるが,キトサン膜上への銅(II) の付着においては振動数が増加した.キトサン膜上に錯形成によって水素結合により付着している水が追い出されたため振動数が増加したと考えられる.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 2002-04-05
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