双型水晶発振子の液体中での振動数特性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
水晶発振子を溶液中で用いる場合, 液温や液性及び水晶発振子上に付着する物質量によって振動数が変化するので, 一つの水晶発振子によって液温及び液性の変化に伴う振動数変化を追随し, もう一つの機能性膜を付けた水晶発振子と組にして用いることにより, 溶液中の微量成分を液温や液性の影響を受けずに定量することができる. このために, 片面に金電極が蒸着された水晶振動子2枚を, その水晶板面のみが溶液に接するように間隔を持たせて平行に設置した双型水晶発振子を開発し, 液体に接触させたときの振動数特性を検討した. 双型水晶発振子は水晶板に接した溶液の特性によってその振動数を変え, 又水晶板に物質が付着すると振動数が変化し, その振動数特性は従来の片面電極分離型水晶発振子と同様であった. 従って, 双型水晶発振子は液性に対してのセンサーとしてだけでなく, 従来の水晶発振子と同様に重みセンサーとしても利用できる. 又, 双型水晶発振子のそれぞれの水晶振動子が安定に発振するので, 一方の水晶振動子に機能性膜を塗布して定量しようとする物質のみが付着するようにすれば, 他方により液温及び液性による振動数変化を相殺することができるので, 測定条件の変動する状態での定量分析が可能である.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1998-09-05
著者
関連論文
- α-ニトロソ-β-ナフトール錯体として水晶重みセンサー上への付着を利用する水中の微量コバルト(II)の定量
- モリブドリン酸アンモニウム沈殿の水晶発振子への付着を利用するリン酸イオンのフロー分析法の開発
- 電極分離型水晶発振子を用いる水溶液中の銅(II)イオンの間接定量
- ガラスや皮膚へのせっけん成分の付着と脱着--電極分離型水晶発振子の振動数が教える挙動
- コラーゲンを塗布した電極分離型水晶発振子上への洗剤成分の吸着と脱着
- キトサンを塗布した双型水晶発振子を用いる銅(II) の定量
- 水晶発振子の振動数でとらえたせっけん成分の付着と脱着
- テトラフェニルポルフィントリスルホン酸塩を用いる微量鉄(II)の吸光光度定量
- 多変量解析法による不完全分離ピークの定量精度の改善
- 水中の微量鉄(II)イオンのイオン会合体としての電極分離型水晶発振子への付着挙動
- 電極分離型水晶発振子を用いたアミノ酸, 有機酸および糖の測定
- 水晶振動子を用いた風味計測
- 無電極型水晶発振子を用いる一滴法によるドデシル硫酸イオンの定量法
- 水晶発振子の溶液化学分析への適用
- 双型水晶発振子の液体中での振動数特性
- 将来に思う
- 多変量解析法を用いた電極分離型水晶発振子検出器による金属イオンの分析法
- 無電極型水晶発振子を用いる一滴法によるシュウ酸イオンの定量
- 電気伝導度検出器としての水晶発振子とその分析への応用
- 気相中の微量成分分析のための電極分離型水晶発振子
- 電極分離型水晶発振子の液体中での振動数特性(センサー)
- 水晶発振子の溶液化学分析への適用 (特集 分析技術の話題)
- 水晶発振子の水溶液中における挙動とその微量シアン化物イオン定量法への応用 (「センサ-と化学」) -- (その他のトピックス)
- 水晶重みセンサ-を用いる定量分析
- 水晶発振検出器を用いる水溶液中のヨウ化物イオンの定量法
- 水晶発振子の有機溶媒中での挙動
- 水晶発振検出器を用いる微量シアン化物イオンの簡易定量法
- 振動数差を用いる水晶重みセンサー
- 水晶重みセンサーによる水中の硫酸イオンの付着定量法
- 水晶発振子を用いる水溶液中の金属イオンの新電解分析法の検討と微量銅(II)定量への応用
- エチレンジアミン四酢酸-銅(II)錯体とシアン化物イオンとの反応
- 分析化学--水晶発振子を検出器として用いる分析 (1978年の化学-8-)
- 分析化学--アノ-ディック・ストリッピング・ボルタンメトリ-の感度の向上 (1975年の化学-5-)
- 分析化学--水晶圧電結晶を用いる大気汚染物質の検出器 (1974年の化学-2-)
- 水銀(II)-MTB錯体とゼフィラミンとを用いる微量ハロゲン化物イオンの同時抽出吸光光度定量
- メチルチモールブルー-水銀(II)錯体によるチオシアン酸イオンの抽出吸光光度定量
- チオシアン酸,臭素または塩素イオンとメチルチモールブルー-水銀(II)錯体とで生成される混合配位錯体の安定度定数
- メチルチモールブルー水銀(II)塩を指示薬としてHg-EDTA溶液によるチオシアン酸イオンの容量分析