紫外吸光光度法によるカーバメート系殺虫剤の定量 : 農薬および関連化合物の分析に関する研究(第1報)

概要

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3,4-ジメチルフェニルN-メチルカーバメート(MPMC)および2,3のカーバメート系殺虫剤の分析法を検討した.工業用MPMC中には,不純物として3,4-キシレノールおよびジ(3,4-キシジル)カーボネート(DXC)を含有していることがあるので,これらの不純物を薄層クロマトグラフ法(TLC)で分離し,MPMCをメタノールで抽出したのち,水酸化カリウム溶液を加えて加水分解し,生成する3,4-キシレノールの極大波長296mμを定量波長として,吸光光度法により定量した.MPMCの加水分解は定量的であるので,MPMC標準品のかわりに3,4-キシレノールを用いることもできる.本法により,標準品の分析値は,x=99.83%,σ≒0.4%(n=8)で,正確に精度よく定量することができた.製剤中のMPMCは,製剤からクロロホルムで抽出したのち,原体の方法に準じて定量できた. MPMC以外に,3-メチルフェニルN-メチルカーバメート(MTMC),3,5-ジメチルフェニルN-メチルカーバメート(DPMC),2-sec-ブチルフェニルN-メチルカーバメート(BPMC)にも本法が適用できることを確認した.
社団法人日本分析化学会の論文