肝疾患患者血清中のヒマレクチン結合糖蛋白の検討
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概要
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Gal, GalNAc糖蛋白の腫瘍関連抗原としての有用性を調べる目的で,糖蛋白の糖鎖非還元末端のGal, GalNAcに特異性をもつヒマレクチン(RCA-1, RCA-2)による赤血球凝集阻止反応を用いて,各種肝疾患,消化器癌患者血清中のGal, GalNAc糖蛋白を測定した.RCA-1, RCA-2ともに,肝細胞癌,肝硬変,消化器癌で高値を示したが,AFP, CEAとは相関しなかった.慢性肝疾患ではコリンエステラーゼ,KICGとの相関傾向がみられたが,肝細胞癌,消化器癌ではこの傾向はなく,Gal, GalNAc糖蛋白の上昇には,慢性肝障害によるアシアロ糖蛋白の増加の他に,癌細胞由来の糖蛋白の関与が示唆された.肝細胞癌患者腹水160ml (2.7g蛋白量)より,RCA-2アガロースァフィニィティクロマト法,さらに抗ヒト全血清-Sepharose 4Bカラムによる血清成分の吸収後,26.2mgのGal, GalNAc糖蛋白を得た.この糖蛋白は,SDS-PAGE(7.5%)により3本のメインバンド(64K, 46K, 15K)および,2本のマイナーバンド(250K,210K)を示した.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
著者
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長島 秀夫
岡山大学第1内科
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小出 典男
岡山大学第一内科
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小出 典男
岡山大学第1内科
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有馬 暉勝
岡山大学第1内科
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福島 正樹
岡山大学第1内科
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諏訪 文明
岡山大学第1内科
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渡辺 淳一
岡山大学第1内科
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