alpha-naphthylisothiocyanateによる肝内胆汁うっ滞の発生機構
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概要
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α-naphthylisothiocyanate (ANIT)をラットに経口投与し,胆汁分泌が消失するまでの病態について検索を行ない,ANITによる肝内胆汁うっ滞の発現機序の解析を試みた.経時的なsecretin, cholic acid負荷による胆汁分泌試験やerythritol clearanceの測定を行ない,胆管上皮や毛細胆管の障害を調べた.一方,肝小胞体のcytochrome P-450,肝細胞における蛋白合成能についても経過を追って測定した.その結果,ANITはcytochrome P-450を含む肝の薬物代謝系を経て活性化物質となり,肝細胞からの胆汁酸排泄を障害し,毛細胆管での胆汁酸非依存性胆汁分泌も障害した.ついで,胆管上皮の機能的,形態学的障害をひきおこし,更に胆管上皮の壊死・脱落による管腔閉塞のために胆汁分泌が消失することを証明した.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
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