肝疾患時の血清Alkaline phosphatase(ALP)に関する研究
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概要
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肝疾患のなかには血清alkaline phosphatase(ALP)の活性やisoeazymeに異常をみとめるものが多い.その臓器起源は主として肝臓であるが,小腸粘膜や腫瘍細胞が関与する場合もある.本論文では肝硬変症患者の血清ALP活性が糖尿病合併の有無によってことなること,およびその原因が小腸性ALP分画のちがいによることをあきらかにした.すなわち,血清ALP活性は糖尿病患者では正常者よりも有意にたかく,糖尿病を合併した肝硬変症患者では糖尿病合併のない肝硬変症患者よりも有意に高値をしめした.ALP isoenzymeの分析により,これらの原因は小腸性ALP量の差によることが証明された.以上により糖尿病患者では何等かの機序により小腸性ALPの血中への流入量がますこと,および,肝硬変症患者では流入した小腸性ALPの血中での停滞時間が延長することなどが考えられる.
著者
-
竹本 忠良
山口大学医学部内科
-
西村 秀男
山口大学医学部第1内科
-
菅 大三
山口大学医学部第1内科
-
名和田 順介
山口大学医学部第1内科
-
早川 幹夫
山口大学医学部第1内科
-
小田原 満
山口大学医学部第1内科
-
竹本 忠良
山口大学医学部第一内科
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