肝細胞癌とリンパ球反応(肝細胞癌患者の免疫機能とその解析)
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概要
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肝細胞癌患者の細胞性免疫機能を末梢血液中のリンパ球数,およびそのPhytohemagglutinin (PHA)反応性,Eロゼット形成能を指標として調べ,これらリンパ球の動態と肝細胞癌の病態や予後との関係を検討した.その結果,肝癌患者の末梢血リンパ球数は入院時に比較して終末期には著明な低下がみられた.また,これらのPHA反応リンパ球およびEロゼット形成リンパ球には健康正常人に比較して有意の低下(p<0.O1)が認められた.比較的予後のよい症例では入院後短時日のうちに死亡する症例に比較して,末梢血リンパ球数,PHA反応リンパ球,Eロゼット形成リンパ球が高値をしめした.この傾向はとくに長期生存例で強かった.したがって,肝細胞癌の予後を判定したり,免疫化学療法をより効果的に行なううえで上記3つの指標,すなわち末梢血リンパ球数,PHA反応リンパ球,およびEロービット形成リンパ球の検索が有用であると考える.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
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