種苗生産過程でみられたイシガキダイ仔魚のエピテリオシスチス類症
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
鹿児島県栽培漁業センターで1983年から毎年, イシガキダイ, イシダイ, マダイの仔魚に未知の死亡率の高い疾病が発生し, かなりの被害をもたらした。しかし, 1986年には全く発生がなかった。イシガキダイを例にとると,発生は水温が23℃を越えたとき, 8~ 25日令, 全長5~12mmの仔魚にみられ, 23℃以下, 13mmを越える魚では発生例がなく, 水温と日令の組合せが発生要因とみられ, この点は他の2魚種でも同様であった。病魚の実体顕微鏡的特徴は, 体表とくに鰭の辺縁部の皮膚に最大0.15 mm程度の大小の円形あるいは楕円形の, 薄い肌色でやや濁ったシストが散在すること, 同時に鰓に同様のシストが多数形成されていることにあった。シストを潰して検鏡すると, ほぼ純粋に桿菌様体が観察された。病魚について病理組織学的観察を行なったところ, ユピテリオシスチス病に一見類似するが, 幾つかの相違点があることが分った。しかし, 本病の本態解明には光顕観察には明らかに限界があり, 電顕観察にまつ以外にないことも分った。本報では著者らが得た病理組織学的知見の要点をべ, 今後, 電顕的研究が進められる上での参考としたい。
著者
関連論文
- テラピアの Edwardsiella tarda 感染症の病理組織学的研究―実験感染魚
- ヒラメの白点病の病理組織像
- ニホンウナギのビブリオ病の病理組織学的研究―II. : 破壊菌体で前処理した魚の生菌攻撃に対する反応
- 養殖魚の栄養性ミオパチー症候群に関する研究―III : トラフグの栄養性ミオパチー症に対するビタミンEの予防効果
- 養殖魚の栄養性ミオパチー症候群に関する研究―I : ブリの栄養性ミオパチー
- 台湾における養殖ニホンウナギのブランキオマイセス症
- サケ科魚類稚魚の内臓真菌症に関する研究―I : 病理組織
- 養殖アユにみられた腎臓腫大症について
- エリスロマイシンに関する魚病化学療法的研究―I : 養殖ハマチにおける吸収,分布,排泄および残留性
- ピロミド酸に関する魚病化学療法的研究―I : 魚類における吸収,分布,残留性および安全性
- シンポジウムコイヘルペスウイルス病研究最前線
- 魚類の腫瘍ならびに腫瘍様病変に関する研究―II : 養殖ニジマスの腎芽腫(ウイルムス腫瘍)
- 魚類の腫瘍ならびに腫瘍様病変に関する研究―I : 養殖ニジマスの黒色腫
- アユ稚魚の誤嚥に基づく疾病について
- 三重県下で発生したブリ稚魚のウイルス性腹水症重篤例の病理組織像
- マダイとイシガキダイの体側筋寄生クドアおよびトラフグの囲心腔と心臓寄生クドアについて
- ニホンウナギのPseudomonas anguilliseptica感染症の病理組織学的研究―I : 自然感染
- 養殖魚の栄養性ミオパチー症候群に関する研究―II : 種苗生産中に発生したトラフグの栄養性ミオパチー症について
- スッポンのセロイド症について―I : 自然発症例について
- トラフグの口白症の病理組織学的研究
- ハマチの滑走細菌性潰瘍病の病理組織学的研究
- コイのイクチオボド症の病理組織
- ニホンウナギのEdwardsiella tarda感染症の病理組織学的研究―I. : 自然感染―化膿性造血組織炎型
- 種苗生産過程でみられたイシガキダイ仔魚のエピテリオシスチス類症
- 血液検査からみたクライモグラフによる養殖ブリの健康診断
- 血液検査による養殖ブリの健康診断例
- 養殖魚のエピテリオシスチス病の病理組織学的・電子顕微鏡的研究〔英文〕
- ニホンウナギの Edwardsiella tarda 感染症の病理組織学的研究-Ⅱ. : 自然感染-化膿性肝炎型
- 養殖ブリの脳からの連鎖球菌の検出について (連鎖球菌症に関するシンポジウム)
- エリスロマイシンに関する魚病化学療法的研究-2-養殖ハマチの連鎖球菌症に対する野外治療効果
- ニホンウナギのビブリオ病の病理組織学的研究-1-自然感染
- アユの細菌性鰓病の病理組織像
- ニホンウナギの Edwardsiella tarda 感染症の病理組織学的研究-Ⅲ.: 自然感染-稚ウナギ
- 連鎖球菌症の病理学的研究--病魚の病理組織像 (連鎖球菌症に関するシンポジウム)