魚類養殖環境としての大槌湾におけるVibrio anguillarumの分布
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
V. anguillarumあるいはその類似菌の生態および分布を明らかにすることを目的に1979〜1981年の3年間にわたり,岩手県大槌湾のギンザケ養殖海域を対象に微生物学的調査を実施した。その結果,5337株の分離菌株中,一般性状,血清学的性状およびDNA相同性の上でV. anguillarumと同定されたものはわずか58株であった。そのうちJ-O-3型に型別された36株は明らかに養殖魚に来源を有するものと考えられた。また1株ながらJ-O-1型に型別される菌株が養殖休業期の生簀から離れた湾中央定点から分離された。さらに大槌湾のほぼ全域の海水,プランクトン他,底泥,貝等の環境試料からのみ分離された残りの21株はすべてJ-O-8型の菌株であった。これらの事実は今後V. anguillarumの生態や分布,伝播経路を知る上で一つの手掛りとなり得るものと考える。
- 日本魚病学会の論文
著者
-
田島 研一
北海道大学大学院水産科学研究科生命資源科学専攻
-
絵面 良男
北海道大学水産学部
-
田島 研一
Laboratory Of Microbiology Graduate School Of Fisheries Sciences Hokkaido University
-
木村 喬久
北海道大学水産学部水産細菌学教室
-
木村 喬久
北海道大学水産学部生物化学工学講座
-
木村 喬久
北海道大学水産学部
関連論文
- エゾバフンウニ斑点病原因菌 Tenacibaculum sp. のVBNC状態からの蘇生に及ぼす鉄の影響
- PB-64 アワビ種苗生産施設周辺環境におけるアワビ病原性Vibrio harveyiの分布(水圏生態系,ポスターセッションB,(1)ポスター発表会,研究発表会)
- PB-63 Vibrio harveyiの定量的real-time PCR法の開発(水圏生態系,ポスターセッションB,(1)ポスター発表会,研究発表会)
- エゾバフンウニStrongylocentrotus intermediusの斑点病の防除法
- 人工海水中における低濃度オキシダントの魚類病原微生物に対する殺菌・不活化効果
- 海水のオゾン処理による飼育水の殺菌効果とヒラメ(Paralichthys olivaceus)およびマツカワ(Verasper moseri)の生存率に及ぼす影響
- ***モナス属菌のPCR-RFLP解析による同定
- 和歌山県田辺湾におけるVibrio属細菌群の変動
- 和歌山県田辺湾における細菌相の変動
- サケ科魚類せっそう病原因菌Aeromonas salmonicidaの産生する病因物質の検討-Ⅱ:A. salmonicida, Ar-4 (EFDL)の産生するプロテアーゼのヤマベ(Oncorhynchus masou f. ishikawai)及び金魚(Carassius auratus)に対する毒性の比較検討ならびに細胞毒性物質について
- PA-42 ビブリオ科細菌におけるコレラ菌および腸炎ビブリオの毒素遺伝子の分布(環境衛生,ポスターセッションA,ポスター発表)
- Tenacibaculum sp. のエゾバフンウニへの付着および糖処理による斑点病の防除
- PB-44 グリセロアルデヒド3リン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子に基づくビブリオ科細菌の分子系統(分類/系統解析,ポスターセッションB,ポスター発表)
- ウニ病害原因菌Vibrio spp.の同定のための16S rRNA遺伝子を標的にした特異的PCRの開発
- エゾバフンウニ斑点病原因菌Flexibacter sp. F-2株の低温環境における生残性
- 29-B-03 培養併用FISH法による食品および環境からの腸内細菌科細菌の迅速定量(食品衛生,一般講演)
- C-214 各種海産無脊椎動物消化管でのVibrio halioticoliの分布(土壌生態系-4、消化管生態系,ポスター発表)
- マコンブ穴あき症藻体からの Pseudoalteromonas elyakovii 菌株の分離
- 下北半島沿岸域の細菌相調査
- 低水温期のエゾバフンウニ Strongylocentrotus intermedius 疾病原因菌 Vibrio sp. の季節的消長並びにその防除法
- 大槌湾サケ・マス海面養殖海域の微生物学的調査
- 鮫肉腐敗の微生物化学的研究 第1報 : 鮫肉の腐敗に於ける Urease Activity 及び細菌群の消長について
- 細菌の酵素に関する研究 第1報 : 塩辛より分離せる二,三の細菌のCatalaseに就て
- 塩辛の細菌学的研究 第2報 : 再び塩辛の熟成中に於ける成分の変化に就て
- サケ科魚類卵巣腔液からの伝染性造血器壊死症ウィルス(IHNV)の分離に適した細胞の選択
- Rhabdovirus olivaceus (HRV)人工感染に及ぼす水温の影響
- HRV (Hirame rhabdovirus; Rhabdovirus olivaceus)感染ヒラメの病理組織学的検討
- Alteromonas sp. の産生する抗ウイルス物質の精製および魚類病原ウイルスに対する抗ウイルス活性
- 蛍光標識アビジン・ビオチン抗体法のBKDキャリヤー検索への応用について―FAT間接法との比較
- EUS感染病魚から分離された***モナス属新菌種 Aeromonas sp. T8 グループの病原性
- C-115 異体類の腸内細菌叢と抗ウイルス活性を有する細菌の分離(水圏生態系-4、水処理生態系-3,ポスター発表)
- 海洋細菌の分類と同定 (総特集 海洋微生物) -- (1章 海洋微生物の分類,同定)
- 抗ウイルス物質産生細菌による魚類ウイルス病の制御(自然界の微生物相互作用 : 微生物農薬の効用)
- マツカワにおけるウイルス性神経壊死症の発生
- ハナサキガニ幼生の大量死に関する細菌学的研究 : 原因菌の性状と病原性
- 東南アジアのEUS感染魚から分離した運動性 Aeromonas 属細菌の分類学的検討
- 海面養殖開始直後に発生したギンマスのせっそう病について
- OMV感染耐過魚に発現した腫瘍の組織学的研究
- サケ科魚類の稚仔魚期におけるOMV感受性魚令と魚種間による相違
- 北海道内の主要河川に湖上するサケ(Oncorhynchus keta)カラフトマス(Oncorhynchus gorbuscha)サクラマス(Oncorhynchus masou)ヒメマス(Oncorhynchus nerka)親魚におけるAeromonas salmonicidaの保有状況
- サケ科魚類の細菌性腎臓病
- 粘液胞子虫に起因する燃製ギンザケのmilky conditionについて
- 魚類養殖環境としての大槌湾におけるVibrio anguillarumの分布
- Aeromonas salmonicidaのプロテアーゼ非産生株の病原性について
- Aeromonas salmonicidaのプロテア-ゼ非産生株の病原性について
- 易熱性抗原によるVibrio anguillarumの簡易同定の可能性について
- ビブリオ病原因菌Vibrio anguillarum(J-O-1〜J-O-3)の易熱性抗原の分析
- 魚類のビブリオ病原因菌の分類学的研究 : 分子生物学的分類法による検討
- ビブリオ病原因菌の血清学的検討-2-V.anguillarumのO血清型(J-O-4〜J-O-8)
- ビブリオ病原因菌の血清学的検討-1-ビブリオ病原因菌のO血清型(J-O-1〜J-O-3)
- 魚類ビブリオ病原因菌の分類学的および血清学的研究
- ビブリオ病原因菌の分類学的研究-1-Bergey′s Manual of Determinative Bacteriology 8th ed.(1974)による分類上の位置の検討
- 種苗生産施設におけるヒラメ稚仔魚の細菌叢
- サケ科魚類ウイルスに反応するモノクローン抗体の作製およびそれらの認識する抗原の性質
- 魚類病原ウイルスと環境由来微生物との相互作用:飼育用水中での生存性
- サケ,カラフトマス及びサクラマス成熟親魚体腔液からのAeromonas salmonicidaの検出
- サケ及びサクラマスの各生活期におけるAeromonas salmonicida保有状況 : サケマス増殖事業におけるせっそう病の疫学的研究―II
- 外観上正常なサケ, カラフトマス及びサクラマス成熟親魚のAeromonas salmonicida保有状況 : サケマス増殖事業におけるせっそう病の疫学的研究―I
- マコンブ種苗糸赤変原因菌Alteromonas sp.の北海道沿岸における分布
- 魚類病原ウイルスの紫外線感受性
- ビブリオ病原因菌の分類学的研究-2-数値分類法による検討
- サケ科魚類の稚仔魚期における腸内細菌叢の形成時期について
- 養魚用水の紫外線殺菌について-I : 魚病原因菌ならびに養魚水中生存菌の紫外線感受性について
- 3. 魚類の免疫反応
- 特異抗体感作staphylococciを用いたcoagglutination testのIPN迅速診断への応用について
- サケ科魚類の腸内細菌叢に関する研究-I : 飼育魚の腸内細菌数と細菌叢
- 気仙沼湾におけるワカメあなあき症ならびにワカメ養殖環境の微生物学的検討
- 特異抗体感作staphylococciを用いたcoagglutination testのセッソウ病迅速診断への応用について
- 魚類Vibrio属病原菌の分類学的ならびに血清学的検討
- 養魚用水の紫外線殺菌について―III : U.V.処理水使用によるサケ・マス孵化成績について
- 養魚用水の紫外線殺菌について―II : 魚病原因ミズカビの紫外線(U.V.)感受性について
- 病魚患部の加熱抽出液を抗原としたゲル内沈降反応によるサケ科魚類の細菌性腎臓病(BKD)診断について
- 赤潮藻類Gymnodinium mikimotoi の増殖に及ぼす田辺湾分離細菌の影響
- サケ科魚類の腸内細菌叢に関する研究-4-河川および湖沼棲息魚の腸内細菌叢
- 限外濾過濃縮法による飼育水中IHNVの検出および紫外線のIHNV不活化効果について
- サクラマスおよびシロサケ受精卵中におけるIHNVの消長に関する研究
- せっそう病の血清学的診断のためのAeromonas salmonicidaに対するモノクロ-ナル抗体〔英文〕
- マコンブ種苗糸赤変原因菌Alteromonas sp.の噴火湾沿岸における分布〔英文〕
- 噴火湾沿岸域における細菌相とマコンブ種苗糸赤変原因菌Alteromonas sp.の関連性について〔英文〕
- サケ科魚類の腸内細菌叢に関する研究-5-溯河魚の腸内細菌叢
- サケ科魚類の腸内細菌叢に関する研究-3-海洋棲息魚の腸内細菌叢
- Aeromonas salmonicida,Ar-4(EFDL)の産生するプロテア-ゼの特性(サケ科魚類せっそう病原因菌Aeromonas salmonicidaの産生する病因物質について-3-)
- サケ科魚類せっそう病原因菌Aeromonas salmonicidaの産生する病因物質の検討-1-A. salmonicida Ar-4(EFLD)の産生するプロテア-ゼの精製
- 我が国の海面養殖ギンマスに発生したビブリオ病原因菌について
- 低温性海洋細菌の分離培養についての検討
- 低温(5℃)貯蔵中における海水中の菌叢の変化
- マコンブプロトプラストの単離へのAlteromonas sp.産生アルギン酸リア-ゼの利用〔英文〕
- 海洋性Alteromonas sp.の産生するアルギン酸リア-ゼの精製と性状〔英文〕
- リシリコンブLeminaria japonica var.ochotensis穴あき症藻体より分離した
- 促成マコンブ種苗糸赤変病害の防除法
- 促成マコンブ種苗糸赤変原因菌の分離
- 海洋細菌の無機塩要求性に関する生理学的研究-2-コハク酸およびフマ-ル酸酸化におよぼす無機塩の影響
- 海洋細菌の無機塩要求性に関する生理学的研究-1-溶菌防御に要求される最小塩類濃度
- 河口および沿岸海水からの抗伝染性造血器壊死症ウイルス(IHNV)活性をもつ細菌のスクリ-ニング〔英文〕
- 保存海水中及び腸炎ビブリオ接種海水中の細菌叢変化〔英文〕
- グッピ-飼育水から分離したAeromonas属細菌の分類学的研究--Aeromonas spp.の分離およびその性状〔英文〕
- 細菌寄生性及び細菌捕食性微生物の沿岸海域での分布〔英文〕
- 海水中の細菌生存性に対する抗菌作用〔英文〕
- 促成マコンブ種苗培養水槽中の細菌群の変動について
- 海水中の腸炎ビブリオ生残に影響する生物学的因子の評価〔英文〕