サケ科魚類の腸内細菌叢に関する研究-3-海洋棲息魚の腸内細菌叢
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概要
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Viable counts were determined on the intestinal contents of 4 species of salmon (33 specimens), 6 other species of fish living in the Bering Sea (14 specimens) and 7 species of fish living off the south coast of Hokkaido (12 specimens). At the same time, their ambient sea waters and several species of zoo-plankton were examined. A total of 1100 strains were isolated from the above samples. The composition of the microflora was determined according to the scheme of SHEWAN et al. (1960). The results are summarized as follows: 1) The viable microorganisms in the intestinal contents of both the salmon and the other species of fish numbered 10^2 to 10^7 per gram. 2) Vibrio was generally predominant in the intestinal microflora of both the salmon and the other species of fish. 3) The intestinal microflora of the fish living in the Bering Sea differed from the microflora of their ambient sea water and the zoo-plankton.1. ベーリング海で捕獲されたサケ科魚類4種33尾の腸内生菌数は10^2~10^7/gの範囲でかなりの個体差が認められたが,魚種間に食性の相違によるものと考えられる差異が推察された。2. ベーリング海および北海道沿岸に棲息するサケ科以外の数種の底棲魚類においても,魚種,魚体,性別等に無関係に腸内生菌数は10^2~10^7/gの範囲でかなりの個体差が認められた。3. ベーリング海に棲息するサケ科魚類および底棲魚類の腸内菌叢はともに,棲息環境水および餌料生物の菌叢と明らかに異なり,一般にVibrioがその主体を成すことが知られた。4. 北海道沿岸に棲息する底棲魚類の腸内細菌叢においても,一般にVibrioがその主体を成していた。
- 日本水産学会 = The Japanese Society of Scientific Fisheriesの論文
著者
-
木村 喬久
北海道大学水産学部水産細菌学教室
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坂井 稔
北海道大学水産学部微生物学講座
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吉永 守
北海道大学水産学部微生物学講座
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木村 喬久
北海道大学水産学部微生物学講座
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木村 喬久
北海道大学水産学部
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