SLEとPSSを発症した1家系:血縁者のHLA, CH 50値,自己抗体の検討
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概要
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祖母がCREST症候群,全身性エリテマトーデス(SLE),慢性甲状腺炎,シェーグレン症候群,母親がSLE,シェーグレン症候群,娘がSLEを発症した1家系を経験したので報告した,血縁者17名を加えた20名と健常人コントロール20名の臨床症状, HLA,血液検査所見を検討した結果は以下のごとくである. (1)発症者および臨床症状(レイノー症状)の認められた6名全員が共通haplotype HLA A11, B 39 (16), CW 7, DRW 8を保有していた. (2)性差による検討では発症者および臨床症状のみられた血縁者は全員女性であった.臨床症状のみられなかった血縁者のうち,自己抗体の認められた者は男性では7名中1名(14.2%),女性では7名中4名(57.1%)で女性に多い傾向がみられた. (3)臨床症状のみられなかった血縁者の検討ではCH50の低下は14名中6名(42.9%)にみられ,健常人コントロールの20名中1名(5%)に比し有意に多くみられた(p<0.05).また,自己抗体も14名中5名(35.7%)にみられ,健常人コントロールの20名中1名(5%)に比し多い傾向がみられた. (4)発症者を含めた全血縁者の検討では, CH50の低下は20名中8名(40%) (p<0.05),自己抗体は20名中9名(45%) (p<0.01)に認められ,健常人コントロールの各20名中1名(5%)に比し有意に多く認められた,血算の異常は20名中5名(25%)に認められ,健常人コントロールの20名中1名(5%)に比し多い傾向がみられた.
著者
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松本 孝夫
順天堂大学医学部総合診療科学研究室:日本私立学校振興共済事業団東京臨海病院内科
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窪川 良広
順天堂大学 医学部腎臓内科学講座
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菅原 正弘
順天堂大学膠原病内科
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中里 馨
順天堂大学医学部内科学教室循環器内科学講座
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廣瀬 俊一
順天堂大学内科
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高崎 芳成
順天堂大学 医学部膠原病内科
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橋本 博史
順天堂大学
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中里 馨
順天堂大学膠原病内科
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菅原 正弘
順天堂大学内科
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窪川 良広
順天堂大学膠原病内科
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松本 孝夫
順天堂大学内科
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