抗不整脈薬 Bunaftine の心室筋活動電位に対する作用
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概要
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抗不整脈薬 bunaftine の電気生理学的作用をガラス微小電極法により検討した．モルモット乳頭筋標本の活動電位に対し，bunaftine 1，5 および 10 mg/<I>l</I> は用量依存的な活動電位立ち上り速度の抑制作用を示した．静止膜電位及び活動電位高にはいずれの用量においても大きな変化は認められず，活動電位持続時間 (APD<SUB>50</SUB>，APD<SUB>90</SUB>) は bunaftine 1 および 5 mg/<I>l</I> により有意に延長したが 10 mg/<I>l</I> では有意な変化は認められなかった．また不応期 (ARP) はすべての用量で有意に延長し，10mg/<I>l</I> では灌流前値に比べ177%と大きく延長した．対照薬として用いた disopyramide は活動電位立ち上り速度の抑制，活動電位持続時間および不応期の延長など bunaftine とほぼ同様の作用傾向を示したが，不応期延長作用は bunaftine に比べて弱く，ARP/ADP<SUB>90</SUB> 比において bunaftine では有意な増加が認められたのに対し，disopyramide ではいずれの用量においても有意な変化は認められなかった．また両薬物ともイヌ心室筋においてもモルモットの場合とほぼ同様の変化を生じせしめた．以上の成績より bunaftine は電気生理学的に disopyramide とほぼ同様の作用を示すが，不応期延長作用のかなり強い薬物であると考えられる．
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
-
仲澤 幹雄
新潟大学医学部保健学科 基礎生体情報学講座
-
今井 昭一
新潟大学医学部薬理学教室
-
仲澤 幹雄
新潟大学医学部薬理学教室
-
今井 昭一
新潟大学医学部薬理学教室:(現)沖縄県立看護大学
-
木村 隆仁
新潟大学医学部薬理学教室
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