GuanfacineのPre- およびPostsynaptic α-adrenoceptorに対する作用-Clonidineとの比較検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
α-アドレナリン作動薬であるguanfacineのpre-およびpostsynaptic α-adrenoceptorに対する作用を両側副腎を摘出したpithed ratを用い検討した.postsynaptic receptorに対する作用:guanfacineは1μg/kg i.v.より明らかな昇圧作用を示し,3mg/kgで最大反応を示した.さらに高用量では昇圧反応の減少が認められた.この昇圧反応はα<SUB>2</SUB>遮断薬であるyohimbineやα<SUB>1</SUB>およびα<SUB>2</SUB>遮断薬であるphentolamineの前投与によって競合的に拮抗されたが,α<SUB>1</SUB>遮断薬であるprazosinの前投与ではα<SUB>2</SUB>作動薬であるclonidineによる昇圧と同様,拮抗は非競合的であった.またguanfacineの昇圧は最大反応がα<SUB>1</SUB>作動薬であるPhenylephrineに比し小さく,用量反応曲線はその傾斜がゆるやかであった.また昇圧にはphenylephrineやclonidineに比し,高用量を必要とした.presynaptic receptorに対する作用:pithed ratのC<SUB>7</SUB>〜Th<SUB>1</SUB>の脊髄神経を電気刺激したときの心拍数増加作用をguanfacineは1μg/kgより有意に抑制し,1mg/kgで最大抑制を示した.一方clonidineは0.3μg/kgより抑制作用を示したが,いずれの薬物でもその最大抑制は約60%に留まった.この抑制作用はprazosinではあまり抑制されなかったが,yohimbineやphentolamincで著明に抑制された,これらの結果からguanfacineはclonidine同様α<SUB>2</SUB>作動薬であり,しかもpresynapticにもpostsynapticにもほぼ同じ濃度で作用する薬物であることがわかった.しかしpresynapticの作用(伝達物質の遊離抑制作用)の方がpostsynapticα<SUB>2</SUB>受容体に対する作用よりも持続的であることから,末梢作用(presynapticの作用)も降圧作用に一役を担っている可能性が示唆された.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
関連論文
- 36 新生児心筋保護における組み替えヒト superoxide dismutaseの作用
- 215. イヌ不整脈に対するdisopyramideの有効血中濃度 : 抗不整脈薬 : 第44回日本循環器学会学術集会
- 0699 血管平滑筋ミオシン軽鎖脱リン酸化酵素130kDa調節サブユニットの性質 : cyclic GMP依存性蛋白質リン酸化酵素によるリン酸化とG1蛋白質との類似性
- P476 アリルアミン心筋症に対するエタノールの効果 : Ca^拮抗薬及びACE阻害剤との対比
- 0183 実験的自己免疫性心筋炎(EAM)ラットにおける血行動態と心筋誘導型NO合成酵素(iNOS)発現の経時的変化
- 34 新生児の心筋保護におけるカルシウム拮抗薬の効果について
- 脳循環に対するAdenosineおよびCatecholaminesの作用について (第1回臓器循環研究会)
- cGMP依存性プロテインキナーゼのcyclic GMPによる活性化を選択的に抑制する物質であるRp-8-Br-guanosine 3',5%-cyclic monophosphorothioate (Rp-8-Br-cGMPS)の、ニトログリセリン、ニトロプルシッドによるラット大動脈平滑筋弛緩に対する作用
- Etafenone Hydrochlorideの心筋エネルギ-代謝に対する作用
- 血管平滑筋Ca2+-pump ATPaseの活性制御 (高血圧の成因とCa2+)
- いわゆる亜硝酸化合物の血管拡張作用の機序 (血管拡張機構解明における最近の進歩)
- 31P-NMRの医学への応用
- ノルアドレナリンで収縮させたラット大動脈平滑筋のニトログリセリン,ニトロプルシドによる弛緩 : ノルアドレナリン濃度とカリウムチャンネル活性化の関連について
- 薬に関するデータベースをインターネットに
- NO関連血管拡張薬の作用機序
- NO関連血管拡張薬の作用機序
- 形質膜Ca2+-pump ATPase : ―平滑筋弛緩機序理解の為に―
- 3,4-Diaminopyridineによるブタ冠動脈標本の周期性収縮に対する血管拡張薬の作用
- 虚血性心疾患--新しい抗狭心症薬
- 31P NMRの循環薬理学研究への応用 (循環器薬理学--薬動力学を中心に)
- プロスタグランジンと心臓病態生理 (薬物による心臓障害)
- Rheoangiometryの基礎的検討(含 討論) (新しい血流測定法)
- GuanfacineのPre- およびPostsynaptic α-adrenoceptorに対する作用-Clonidineとの比較検討
- 収縮間隔の変化による心筋収縮力の変化 (心筋)
- Guanfacine(BS100-141)の中枢神経系に対する作用について
- 核磁気共鳴分光法(NMR)の生物への応用 心筋代謝研究を中心として
- 抗不整脈薬 Bunaftine の心室筋活動電位に対する作用
- 82) 所謂冠血管拡張薬の冠動脈の太い部分に対する作用について : 冠循環 : 第40回日本循環器学会総会講演会一般演題追加討論(I)
- 82.所謂冠血管拡張薬の冠動脈の太い部分に対する作用について : 第40回日本循環器学会学術集会 : 冠循環
- Labetalolのαおよびβ遮断作用と冠循環,心機能,心筋エネルギー代謝に対する作用について
- 新しいβ遮断薬KÖ 1400の供血犬つきイヌ心肺標本における作用,後肢灌流標本におよぼす作用について
- 新β-adrenergic receptor blocking agent,d1-1-(tert.butylamino)-3-((2-propinyloxy)phenoxy)-2-propanol hydrochloride(dl Kö1400-Cl)の実験的抗不整脈作用について
- 新しい降圧薬SGB-483の降圧作用とその機序について
- 新しいβ受容体遮断薬,Bopindolol 及びその代謝産物のβ遮断作用と部分作用薬活性,膜安定化作用について
- Guanfacineの心臓・冠循環・心筋エネルギー代謝に対する作用について
- Dilazepの冠循環・心機能および心筋エネルギー代謝に対する作用について
- 無麻酔動物の血圧及び心拍数に対する薬物の作用の研究 : (1)β-遮断薬の作用
- ラットにおける Guanfacine の降圧作用について
- Molsidomine(SIN-10)の冠循環,心機能,心筋局所血流量および全身循環動態に対する作用
- 三種の高血圧病態モデルラットにおける Labetalol の降圧作用について
- Prazosinの心臓血管系に対する作用
- Young氏液(YNG液)の心機能およびミトコンドリア呼吸能におよぼす作用 ―30°C,1時間虚血下における作用―
- DOCA-saline高血圧ラットの血圧および尿量尿中Na,K排泄量に対する数種β遮断薬およびサイアザイド利尿薬Penfluzideの作用
- タイトル無し
- タイトル無し
- タイトル無し