植物成分の抗腎炎効果に関する研究(2)ラットのオリジナルタイプ抗GBM腎炎に対するジンセノシド類の効果とその機序
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概要
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S．D．系雄性ラットに抗糸球体基底膜血清を静注して，オリジナルタイプ抗GBM腎炎を惹起し，同時に粗ジンセノシド(0.5，1.0ならびに5.0mg/kg，i.p.)および，その分画であるジンセノシドRb1とRg1(0.5ならびに1.0mg/kg，i.p.)を腹腔内に投与した．粗ジンセノシドの1.0ならびに5.Omg/kg投与群では抗血清静注緩，1日目において，蛋白尿の有意な抑制が認められたが，5日目ならびに10日目には認められなかった．また，ジンセノシドRg1投与群でも1日目と5日目に抑制作用が認められた．さらにこれらの群には血清コレステロールの抑制や病理組織学的な変化の抑制がみられた．一方，Rb<SUB>1</SUB>投与群では病理組織学的パラメーターにおいてのみ抑制作用が認められた．粗ジンセノシドならびにRg<SUB>1</SUB>では血小板凝集能の抑制作用はジピリダモールより，弱いが，腎血流量の低下に対して著明な増加作用がみられた．また，Rb1にはin vitroならびにin vivoにおいて強力な抗血小板作用が認められた．以上の結果からジンセノシド類は抗腎炎効果を有し，その作用には主に腎血流量の増加作用が関与し，それにはRg<SUB>1</SUB>の作用が重要である．またRb<SUB>1</SUB>は血小板凝集能抑制作用を介して組織学的な病理変化を抑制したことが示唆された．
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
-
鈴木 良雄
名城大学薬学部薬理学教室
-
服部 智久
名城大学薬学部薬理
-
伊藤 幹雄
名城大学薬学部薬効解析学
-
伊藤 幹雄
名城大学薬学部薬理学教室
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伊藤 幹雄
名城大学薬学部
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鈴木 良雄
名城大学薬学部薬理
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鈴木 良雄
名城大学薬学部
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服部 智久
名城大学薬学部薬理学教室
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