ウズラの体重選抜系統間における血中Ca++濃度およびパラサイロイドホルモン濃度の差異
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究は63世代にわたって体重の大(LL)および小(SS)の2方向へ選抜したウズラ系統ならびにそれらの対象群として維持してきた無作為交配集団(RR)について,血液中のパラサイロイドホルモン(PTH)およびCa++の濃度を測定し,その系統間差について検討を行った.血中PTH濃度はNichals Institute, co. Ltd.のintact PTHキットにより,またCa++濃度は原子吸光法により測定した.ウズラの血中Ca++濃度では雄で274,304および323ppm/ml,雌では868,891および949ppm/mlであり,系統間(P<0.05)および性間(P<0.01)で有意差であった.また,15週齢時における,SS, RRおよびLL系統における血中PTH濃度は雄で9.20,5.52および4.96pg/ml,また雌で8.80,4.79および4.08pg/mlであり,系統間(P<0.01)および性間(P<0.01)で有意差であった.血中PTH濃度とCa++では系統間での傾向なびに性間での傾向に逆転が見られた.これらの結果は,体重選抜により,骨格のサイズに変化が生じると共に,生体内のCa代謝にも変化が生じることを示唆するものである.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
著者
-
河邊 弘太郎
鹿児島大学 農
-
前田 芳實
鹿児島大学農学部
-
岡本 新
鹿児島大学 農
-
橋口 勉
鹿児島大学農学部
-
ARDININGSASI Murni
鹿児島大学農学部
-
河邊 弘太郎
鹿児島大学農学部
-
橋口 勉
鹿児島大学
関連論文
- 家畜・家禽のゲノムDNA抽出におけるガラスろ紙法の検討
- トカラ馬の馴致に関する一考察
- AFLPを用いた口之島野生化牛の遺伝的変異性
- 日本ウズラの産卵能力に対する選抜における蛋白質多型の変化1. 初期世代における遺伝子構成
- アオエリヤケイ(雄)と岐阜地鶏(雌)から得られた交雑種(F1)の染色体
- ニワトリ末梢リンパ球の細胞分裂周期〔英文〕
- 第12回動物遺伝育種シンポジウムの開催にあたって
- WPC2004に参加して
- 薩摩鶏の飼料効率に関する遺伝的パラメーター
- AFLP 法による日本ウズラ選抜系統の遺伝的特性の分析
- 日本ウズラの生産形質に関するヘテローシス効果 : 体重大系統と無作為交配集団の系統間交雑におけるヘテローシス効果
- 日本ウズラの産卵能力に対する選抜における蛋白質多型の変化 : 2. 第8世代および第13世代における遺伝子構成
- インドネシアにおける在来鶏の卵白タンパク質多型について
- 日本ウズラにおける骨格筋組織の calpain 活性と筋肉タンパク質分解速度との関係
- ニワトリ肝臓のトリアシルグリセロール分解活性の日令による変化と, 雄ヒナにエストラジオール投与時の活性の変化
- 鶏のオボアルブミンにおける新たな変異型について
- フィジーならびに西サモア諸島における在来鶏および赤色野鶏のDNAフィンガープリント分析
- 肉用種と卵用種における筋肉中のカルパインおよびカルパスタチン活性値の加齢に伴う変化
- 家禽における筋肉蛋白質代謝制御の育種学的考察
- 鹿児島県における黒毛和種の現場検定成績に基づく選抜指数式の作成
- 鹿児島県における黒毛和種種雄牛の育種価推定
- ニワトリ(雄)とウズラ(雌)から得られた属間雑種の染色体
- G-およびC-分染法によるニワトリの核型分析
- ニワトリ腹腔内脂肪組織を構成するタンパク質の同定
- 農場技術調査報告書の刊行に当たって
- 中国雲南省における在来緬羊集団の血液タンパク・非タンパク変異
- 中国雲南省西双版納泰族自治州における在来鶏の形態形質の遺伝子構成
- ネパール在来鶏の血液型
- ニワトリ(雄)とウズラ(雌)から得られた属間雑種の染色体
- アオエリヤケイ(雄)と岐阜地鶏(雌)から得られた交雑種(F1)の染色体
- G-およびC-分染法によるニワトリの核型分析
- ニホンウズラにおける赤血球エステラーゼアイソザイムの遺伝的変異
- 日本ウズラの肝臓エステラーゼアイソザイムに関する遺伝学的研究
- ニワトリ末梢リンパ球の細胞分裂周期
- 4種の野鶏の核型分析
- 琉球在来馬およびトカラ在来馬のヘモグロビン型分析〔英文〕
- 体重選抜したウズラ系統間における膵臓トリプシンおよびキモトリプシン活性
- インドネシア在来豚およびアジアイノシシ7集団の下顎骨の形態学的研究
- 韓国在来牛の頭蓋計測(短報)
- 韓国在来鶏の生体計測
- インドネシアにおける赤色野鶏と緑襟野鶏のラジオテレメトリー
- 体重大小選抜ウズラの骨格筋におけるm-calpainおよびactin遺伝子の発現量の系統間差
- 日本ウズラにおける筋肉中のカルシウム依存性中性プロテアーゼ(CANP)活性値の遺伝的パラメータ
- 日本ウズラにおける筋肉蛋白質代謝回転速度とカルシウム依存性中性プロテアーゼ活性値に関する遺伝•育種学的研究
- ウズラの飼料利用性に関する遺伝的パラメーター
- カイコにおける黒蛹の発現を支配するホルモン
- バークシャー種における登録審査得点の遺伝的パラメーター
- ウズラのヘモグロビン型と経済形質との関連
- ウズラの酸性ホスファターゼ型と経済形質との関連
- ネパールにおける赤色野鶏の形態学的同定および生態
- ネパールにおける赤色野鶏の形態学的および生態学研究,第一•二次調査(1986•1988年)
- 日本在来鶏の形態学的相互関係に関する生体計測学的研究
- インドネシヤ多化系蚕の休眠性について
- カイコの黒蛹発現時におけるフェノールオキシダーゼの消長
- インドネシア在来鶏の形態学的研究
- インドネシアにおける野鶏の形態学的同定および分布
- 血液蛋白質型からみた鶏の遺伝子構成
- 卵用鶏,肉用鶏および日本在来鶏における筋肉蛋白質代謝回転速度の比較
- 日本ウズラにおける筋肉蛋白質代謝回転速度の遺伝的パラメータ
- 近交系ウズラにおける蛋白質多型の特性ヘテロ有利性の検討
- 中国雲南省の黄牛の乳蛋白変異
- 鶏の成立について
- ウズラの体重選抜系統間における血中Ca++濃度およびパラサイロイドホルモン濃度の差異
- Z染色体のSNPマーカーを用いたインドネシア在来鶏の遺伝的多様性解析
- ネパ-ルにおける在来鶏の卵白蛋白質の多型〔英文〕
- 黒毛和種種雄牛の産肉能力評価に関する現場後代検定の試み