飼料のルーメン内発酵特性のin vitro評価法
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概要
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飼料のルーメン内での発酵特性を評価する簡易なin vitro法の開発を試みた.培養方法として,ルーメン液より分離した洗滌菌体を用いて,試料量10g/l(乾物),培養時間24時間,尿素窒素添加量100mg/lの条件で嫌気的なバッチ培養を行なった.また発酵の指標としては,量的指標として,培養液のpH,揮発性脂肪酸(VFA)濃度,気相のガス圧を,また質的指標として,VFAおよびガスの組成を検討した.また個々の飼料の発酵特性はセルロースとデンプンで得られた値に対する相対値:(各試料の値-セルロースの値)/(デンプンの値-セルロースの値)を発酵指数として表した.量的指標の中では,pHを用いた発酵指数(FpH)が,易発酵性基質量に対する反応の直線性や,得られた数値の再現性の高さという点から,有用であると考えられた.また,質的指標としては,培養液中のプロピオン酸/酢酸比を用いた発酵指数(FP/A)が,粗濃比4:1程度の飼料を摂取した動物から得たルーメン細菌を用いた場合に,これらの条件を満たせるものと考えられた.発酵指数と化学組成の関係から,製造粕類の発酵性は,飼料中の非繊維性炭水化物含量によって決ることが明らかとなった.しかし同時に,脂肪含量が高い場合は発酵が抑制され,また,ヘミセルロース系繊維含量が高い場合には,発酵性が過小評価されることも示された.
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