連続培養におけるルーメン内キシラン発酵菌およびペクチン発酵菌に及ぼすデンプン水準の影響
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概要
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粗飼料および濃厚飼料を,乾物でそれぞれ一日あたり約5kgおよび1.8kg給与したルーメンフィステル装着黒毛和種去勢牛より採取したルーメン内容液を用いて,嫌気的に連続培養を行ない,デンプン濃度0.5,1.0,2.0および3.0%の培養液を0.054/時の希釈率で注入した時の,キシラン発酵菌およびペクチン発酵菌数の変化を調べた.また,同時に発酵槽内の化学的特性の測定,および他の細菌群の計数を行なった.発酵の安定した培養開始7日後の培養槽内のpHは,デンプン濃度が上がるにつれて低下し,デンプン3%では,pHが5以下となり,乳酸発酵を起こした.キシラン発酵菌およびペクチン発酵菌は,ともにデンプン2%までは,デンプン濃度が上がるにつれて,デンプン分解菌と同様に増加した.また,メタン産生菌は減少する傾向を示したが,セルロース分解菌には特定の傾向が見られなかった.デンプン3%では,乳酸利用菌以外は,全ての菌群で著しい減少を示した.以上の結果より,デンプン質飼料の給与が,ルーメン内でのヘミセルロースおよびペクチンの利用性増加につながる可能性が示唆された.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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