牛および緬羊の成長ホルモン分泌に及ぼす人成長ホルモン放出因子ならびにそのアナログの影響

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合成入成長ホルモン放出因子(hpGRF-44)のアナログが牛および緬羊の成長ホノレモン(GH)分泌に及ぼす影響を,10ヵ月齢の雌子牛および21か月齢の虫勢雄緬羊において検討し,それらのin vivoにおけるGH放出活性をhpGRF-44のそれと比較した.それぞれの実験動物の頸静脈カテーテルから得た血漿サンプルのGH濃度は,ラジオイムノアッセイで測定した.hpGRF-44ならびにそのアナログは,体重kg当り0.25μgをそれぞれ静脈注射した.牛および緬羊の血漿GH濃度は,生理食塩水投与では全く上昇しなかったが,hpGRF-44投与によって有意に上昇し,いずれも10分後に頂値に達した.hpGRF-44のC-端から18個のアミノ酸残基をカットしたhpGRF(1-26),およびN-端のチロシン(Tyr)をカットしたhpGRF(2-44)の牛あるいは緬羊のGH分泌に対する生理活性は,hpGRF-44の活性に比べ有意に低かった(P<0,05).一方,N-端のTyrをそれぞれD-Tyr,ヒスチジン(His)およびフェニルアラニン(Phe)で置換した[D-Tyr1]-,[His1]-および[Phe1]-hpGRF-44のGH放出活性とhpGRF-44の活性との差は,統計的に有意でなかった.以上の結果は,1) 牛あるいは緬羊のGH分泌に対するhpGRF-44の生理活性が十分に発現されるためには,N-端から少なくとも27個以上のアミノ酸残基を必要とすること,また,2) N-端のアミノ酸が不可欠であること,および3) hpGRF-44のN-端のTyrをD-Tyr, HisおよびPheで置換してもin vivoにおける生理活性は有意な影響を受けないことを示唆する.
社団法人日本畜産学会の論文

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