乳用育成牛における血中インシュリン様成長因子-I日周変動および成長ホルモン投与による影響
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概要
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牛血中インシュリン様成長因子-I(IGF-1)のラジオイムノアッセイ(RIA)による測定法を検討するとともに,ホルスタイン種の育成雌牛の血中GHとIGF-Iの日周変動ならびに牛成長ホルモン(GH)投与に対する垂中IGF-Iへの影響を測定して次の成績を得た.血中におけるIGF-IはIGF結合蛋白質と固く結合しているため,酸エタノール抽出を行ない,次いで二抗体法によるRIAを測定した.血中GHはRIAで測定した.平常状態における血中GHとIGF-Iの日周変動を観察するため,乳用育成牛4頭(ホルスタイン種,雌,12カ月齢)に頚静脈カテーテルを装着し15分間隔で24時間にわたる採血を行なった.血中GHは不規則な脈波状濃度変化を示したが,給飼により分泌が抑制された.一方,血中IGF-Iの日周変動は小さかった,各個体の24時間のGHの平均値±標準偏差(ng/ml)はそれぞれ3.1±2.2,5.0±4.3,7.0±6.0,9,5±11.7となり,対応する個体のIGF-Iはそれぞれ34.3±5.5,36.5±6.7,41.2±11.0,48.6±6.1であり,平均血中GH濃度の高い個体は高い平均血中IGF-I濃度を示した.(r=0.98,P<0.05)また,遺伝子組み替え技術により製造されたGH(rbGH,500μg/kgBW)を12カ月齢育成雌牛4頭に1回皮下投与して血中GHおよびIGF-Iの濃度変化を観察した.血中GHは投与4-6時間後に最高値(4時間後:154±47ng/ml,6時間後:155±56ng/ml)を示し,その後徐々に減少,32時間以内に投与前値に回復した,一方,血中IGF-IはGH投与6時間後から上昇し始め,10時間後に投与前に比べて有意に高くなり(P<0.01),72時間後においても投与前値を上回った(P<0.01).
- 社団法人 日本畜産学会の論文
著者
-
對馬 敏夫
東京女子医科大学内分泌センター内科
-
甫立 孝一
農林水産省東北農業試験場
-
宮本 進
農林水産省畜産試験場
-
小澤 明仁
農林水産省畜産試験場生理部
-
上家 哲
農林水産省畜産試験場生理部
-
對馬 敏夫
東京女子医科大学
-
大谷 文博
農林水産省北海道農業試験場
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宮本 進
農林水産省北海道農業試験場
-
大谷 文博
農林水産省畜産試験場
-
小澤 明仁
農林水産省畜産試験場
-
上家 哲
農林水産省畜産試験場
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