分娩後の乳牛にみられる乳清蛋白質の変化

概要

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分娩後における牛の初乳および常乳中のα-ラクトアルブミン(α-LA),β-ラクトグロブリン(β-LG),免疫グロブリンG(IgG)および血清アルブミン(BSA)含量をSingle radial immunodiffusion法を用いて免疫化学的に定量した.供試材料は,健康な経産ホルスタイン種乳牛から分娩後2週間,経時的に採取した.分娩直後の初乳中のα-LA含量の平均値は173.5mg/dlであったが,分娩後6日には136.1mg/dlに減少した.β-LG含量は,分娩直後の1,137.9mg/dlから急激に減少して分娩後6日には332.3mg/dlになった.分娩直後の初乳中のIgG含量は,8,085.3mg/dlで初乳総蛋白質量の64.5%を占めた.IgG含量は,分娩後搾乳の4回目までほぼ50%ずつ減少して6日後には188.5mg/dlになった.BSA含量は,分娩直後の181.3mg/dlから6日後には13.9mg/dlに減少した.α-LA含量は分娩の翌日に最高値を示したが,その他の乳清蛋白質含量の最高値は分娩直後の初乳でみられた.分娩後2週間を通して,総蛋白質量に対するα-LAの相対比率と乳糖含量との間には,正の高い相関関係が認められた.
社団法人日本畜産学会の論文