人成長ホルモン放出因子による牛の成長ホルモン放出におよぼす年齢の影響

概要

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合成人成長ホルモン放出因子(hGRF-44)による牛成長ホルモン(GH)放出反応を比較した.hGRF-44(体重kg当り0.25μg)の静脈注射前後の血液を頸静脈カテーテルから経時的に採取し,血漿GH濃度をラジオイムノアッセイで測定した.また,hGRF-44投与後90分間のGH反応曲線下の面積を測定し,このペプチドに反応して放出されたGHの総分泌量の指標とした.hGRF-44注射後,いずれの場合においても,有意な牛GH放出反応が観察された.6-12時間齢から6ヵ月齢の子牛におけるhGRF-44に対するGH放出反応は,各群間で統計的に有意な違いを示さなかった.これに対して,12ヵ月齢子牛の反応は6ヵ月齢子牛の反応に比べ有意に減少した(P〈0.05).同様に,24ヵ月齢の末経産牛の反応は12ヵ月齢子牛の反応より有意に小さく(P〈0.05),さらに,48ヵ月齢の乾乳牛の反応は24ヵ月齢末経産牛の反応に比べ有意に減少した(P〈0.05).これらの結果は,1) 牛下垂体のGH分泌細胞は出生直後でも外因性のGRFによく反応する機能を持つこと,2) 12ヵ月齢以降の牛下垂体の外因性GRFに対する反応性は加齢に伴って減少することを示している.
社団法人日本畜産学会の論文