やぎおよび羊の成長ホルモン分泌に及ぼす合成人成長ホルモン放出因子の影響

概要

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合成人成長ホルモン放出因子(hpGRF-44)投与に対するやぎおよび羊成長ホルモン(GH)の用量-反応,ならびにこれらの反応性に及ぼす年齢および性の影響について検討を加えた.頸静脈カテーテルあるいは針採血により,頸静脈血をhpGRF-44投与前,および投与後90分の間,経時的に採取した.血漿中のGH濃度は特異的なラジオイムノアッセイにより測定し,次の結果を得た.1) 14ヵ月齢のザーネン種雌やぎに体重kg当り0.1,0.25,および0.5μgのhpGRF-44を静脈投与したところ,血漿GH濃度はいずれの場合も有意な上昇を示し,5〜10分後に頂値が得られた.これらの頂値は投与量に比例して高くなる傾向を示した.2) 体重kg当り0.25μgのhpGRF-44を静脈投与した2ヵ月齢,13カ月齢,および40カ月齢の雌羊(コリデールおよびフィニッシュ種)の血漿GH濃度は,いずれも有意に上昇し5〜10分後に頂値を示した.また,5ヵ月齢および14カ月齢の日本在来種雌やぎにおいても,hpGRF-44 (0.25μg/kg•体重)の静脈投与により血漿GH濃度の有意な上昇がみられ,5分後に頂値が得られた.これらの頂値は年齢の増加に伴って低下した.3) 1ヵ月齢の日本在来種雄および雌子やぎ,ならびに2カ月齢の雄子羊(コジデールおよびブイニッシュ種)にそれぞれ体重kg当り0.25μgのhpGRF-44を静脈注射したところ,いずれも血漿GH濃度の有意な上昇がみられ,5〜10分後に頂値が得られた.これらの頂値は,雄の方が雌のそれより高くなる傾向を示した.以上の結果は,合成hpGRF-44によるやぎあるいは羊GHの放出が,a) 用量-反応的に高くなること,b) 年齢の増加に伴って低下すること,c) 性により異なることを示唆する.
社団法人日本畜産学会の論文

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