β-ナフトールの脂肪酸エステルを基質とするリパーゼ•エステラーゼ活性測定法(NACHLASおよびSELIGMAN法)の改良
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概要
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比較的感度がよく,しかも簡易なので多くの試料を同時に処理しやすいことから,β-ナフシールの脂肪酸エステルを基質とするNACHLASおよびSELIGMANの酵素活性測定法に検討を加えた.原法では弱アルカリ性pH域で酵素活性を測定しており,酸性pH域での測定には直接適用できない.また反応停止にTCAを用いることができないため,反応に時間的ずれが生じる.検討の結果,基質から遊離したβ-ナフトールをテトラゾニウム塩(Fast Blue B)で発色させる前に,反応後0.4M Na2HPO4を添加し,発色時のpHを7附近に調整することにより,pH2〜10の範囲で酵素反応の測定ができるようになった.また,原法では色素の抽出に酢酸エチルを用いているが,n-ブタノールを用いる方が抽出時間,抽出色素の安定性および再現性,感度等の点でより有効であった.その他の測定条件についても検討を加え,以下のように原法を改良した.各種pHの緩衝液と基質(β-ナフトールの脂肪酸エステル)の混液(5ml)に酵素液(1ml)を加え,一定時間反応後0.44MTCA液(5ml)で反応を停止する.そのろ液(2ml)のpHを0.4M Na2HPO4液(5ml)で中和する.新鮮な0.4%Fast Blue B (1ml)を加えて発色させた後,5分以内にアゾ色素をn-ブタノール(10ml)で20秒間強く振とうして抽出する.n-ブタノール層を40分後540nmで比色し酵素活性を測定する.豚パンクレアチンのリパーゼ活性測定に適用し,そのpH活性曲線を示した.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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