豚肉の電気抵抗に関する研究 : I. 豚肉の電気抵抗に対する温度の影響
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概要
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豚肉を用いて,肉の静電容量および電気抵抗と温度との関係について実験し,次のような結果を得た.1. Kohlrausch橋を用いて,新鮮な肉の電気抵抗を測定する場合,肉の持つ静電容量を補償するために,250〜1,000μμFのコンデンサーを標準抵抗と並行に用いたところ,無音点の判別がしやすくなつた.2. 豚肉の電気抵抗は,温度によつて影響を受けた.その逆数である電気伝導度と温度(実験したのは7〜25°Cの範囲)とは,ほぼ直線的な関係を示して変化した.そして,腿肉,肩肉および背肉の肉片の場合,これらをWaring blenderで細切混合してひき肉とした場合,またひき肉に,さらに脂肪肉や食塩を混合した場合も,電気抵抗値R(Ω9)と温度t(°C)とは,R=C/a+bt(a,b,cは常数)なる式で表わしうる関係にあることがわかつた.3. ある一定の温度の電気伝導度ktを基準として,各温度における電気伝導度ktの指数Iを求め,指数Iと温度tとの関係式I=1+b(t-t)を得た.この式のb,すなわち温度係数を,各肉片とひき肉について算出し,比較してみた.その結果,肉片の場合は,個体や鮮度によつて,その値がある程度異なつていたが,ひき肉の場合は,いつも大体同じような値であつた.7°Cにおける電気伝導度を基準とした場合には,I=1+0.0287(t-7)なる式が成立した(ただしtは7〜25°).ひき肉の温度係数は,塩類水溶液のそれにほぼ等しかつた.そこで,肉片の場合には,肉の組織構造および状態変化などの影響も考えられるが,ひき肉の場合には,電気伝導度に影響するイオンの温度による変化は
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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