日本透析医学会専門医制度の現状分析
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概要
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社団法人日本専門医制評価・認定機構が設立され,学会ではなく,第三者機関が専門医を認定する構想も浮上してきており,現状の専門医制度の問題点を早期に改善し,誰からも評価される専門医制度に改訂しなければならない時期に来ている.全会員と現行の専門医制度の問題点を共有するために,今回,専門医制度の現状を分析するとともに,意識調査を実施した.専門医制度委員会が把握しているデータを2009〜2010年の各時点で集計した.さらに,認定施設または教育関連施設が2施設以下の7県の専門医180名および指導医50名を対象に,無記名アンケート調査を2009年10月に実施し,12月までに回収した.2009年9月1日時点での施設会員は3,778施設であり,認定施設は420施設(11.1%),教育関連施設は456施設(12.1%)であり,合格期より認定を継続している認定施設数は45.1%であった.正会員数は11,303人であり,専門医は4,297人(38.0%),指導医は1,620人(14.3%)であった.認定施設における専門医在籍数は,専門医0人0施設(0%),専門医1人(代行)11施設(2.6%),専門医2人256施設(61.0%),専門医3人以上153施設(36.4%)であった.施設コード別の認定施設数と教育関連施設数は私立病院が最も多く,大学附属病院の多くは認定施設であったが,教育関連施設も12施設認めた.認定施設が指定している教育関連施設は,0施設が39.4%,1施設が24.2%,2施設が19.6%,3施設が12.1%,4施設が3.7%,5施設が0.9%であった.意識調査の回収率はそれぞれ専門医38.9%と指導医76.0%であった.専門医は,指導医の申請について申請予定あり:17名(24.3%),申請予定なし:44名(62.9%),未記載:9名(12.9%),指導医は,指導医の更新について更新予定あり:36名(94.7%),更新予定なし:1名(2.6%),未記載:1名(2.6%)であった.低い施設認定率,低い認定施設継続率,低い専門医認定率,低い指導医認定率,認定施設継続のための余裕の少ない専門医在籍数,代行施設認定,基幹病院の非認定施設化,教育関連施設指定のない認定施設,専門医の低い指導医申請予定率,地域格差など解決しなければならない問題があり,専門医制度委員会において議論を継続している.
著者
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井関 邦敏
日本透析医学会統計調査委員会
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重松 隆
日本透析医学会統計調査委員会
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岡田 一義
日本透析医学会専門医制度委員会
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天野 泉
日本透析医学会専門医制度委員会
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久木田 和丘
日本透析医学会専門医制度委員会
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室谷 典義
日本透析医学会専門医制度委員会
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岩元 則幸
日本透析医学会専門医制度委員会
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橋本 寛文
日本透析医学会専門医制度委員会
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長谷川 廣文
日本透析医学会専門医制度委員会
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新田 孝作
日本透析医学会専門医制度委員会
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