長野県安曇野における野焼きがメアカタマゴバチによるオオルリシジミ卵への寄生に及ぼす影響について
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概要
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Bush burning was carried out in Azumino, Nagano Prefecture on March 29 2009, in order to determine its effect on parasitism of the eggs of Shijimiaeoides divinus barine by the parasitoid Trichogramma chilonis. Immediately after bush burning, cages were set up in the burned and a control area. Afterward, S. divinus barine eggs were taken for observation, and T. chilonis adults were collected using sticky traps placed inside and outside the cages. On June 9, the percentage of parasitism inside the cage from the burned area was 2.3%, and 30.3% in the control area (P<0.01). Between May 5 to June 9. 21 T. chilonis were captured by the sticky traps inside the cage in the control area. However no parasitoids were captured in the burned area. By contrast, on June 6, the percentage of parasitism on eggs outside the cage was 57.1% in the burned area, and 43.8% in the control area (P=0.714). Therefore, there was no significant difference between the numbers of T chilonis captured in these two areas. It was concluded that bush burning had an effect on parasitism of T. chilonis on S. divinus barine eggs.春先の野焼きが, メアカタマゴバチによるオオルリシジミ卵への寄生を抑制する効果があるのかを検証するため, 野焼き試験を実施した. 野焼きは, 長野県安曇野市国営アルプスあづみの公題用地内において 2009 年 3 月 29 日に行った. 野焼き直後から野焼き区と野焼きを行っていない対照区にケージを設置し, ケージの内と外で卵の寄生率調査と粘着トラップによるメアカタマゴバチの捕獲諦査を実施した. その結果, ケージ内での寄生率は 6 月 9 日の調査では野焼き区が 2.3%, 対照、区が 30.3% となり, 野焼き区が有意に低かった (P<0.01). またケージ内でのメアカタマゴバチの捕獲数は, 対照区では 3 回の調査の合計は 21 個体であったが, 野焼き区では1個体も捕獲されなかった. 一方, ケージ外においては 6 月 6 日に行った寄生率調査では, 野焼き区が 57.1%, 対照区が 43.8% となり有意差はなかった. また 5 月 5 日~ 7 月7 日の関に行った計4 回のメアカタマゴバチの捕獲調査においても, 野焼き区と対照区では有意差はなかった. 以上の結果から, メアカタマゴバチの寄生に対する野焼きの有効性が認められた.
著者
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中村 寛志
Education And Research Center Of Alpine Field Science Faculty Of Agriculture Shinshu University
-
江田 慧子
Education And Research Center Of Alpine Field Science Faculty Of Agriculture Shinshu University
-
Nakamura Hiroshi
Shinshu Univ. Nagano
-
江田 慧子
信州大学農学部アルプス圏フィールド科学教育研究センター
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