南アルプス北岳と仙丈ヶ岳周辺のチョウ類群集の定量的調査
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概要
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南アルプスの亜高山帯から高山帯におけるチョウ類群集を定量的に把握することを目的とし,2002年と2003年の7・8月に北岳と仙丈ヶ岳において,トランセクト法と定点調査によるチョウ類群集の調査を実施した.北岳のトランセクト調査では,谷筋ルートで7・8月の合計15種164個体(補正個体数31.55/km/調査),稜線ルートでは7月のみで14種96個体(補正個体数8.26)を確認した.優占種はそれぞれベニヒカゲとエゾスジグロシロチョウであった.仙丈ヶ岳のトランセクト調査では,馬ノ背ルートで合計16種139個体(補正個体数21.72),仙丈ルートで合計9種246個体(補正個体数18.12)を確認した.優占種はそれぞれクジャクチョウとキアゲハであった.これより南アルプス山岳域のチョウ類相の特徴は,高山蝶とタテハチョウ類であるといえる.定点調査では,何れの調査地でもチョウの出現は午前中で,午後には天候が悪くなり激減し,出現個体数は照度との間に強い相関が見られた.定点調査の優占種は北岳では2箇所ともベニヒカゲ,仙丈ヶ岳においては亜高山帯ではベニヒカゲで高山帯ではクジャクチョウであった.山岳域におけるチョウ類群集の定量的モニタリング手法について検討した.
- 2007-03-20
著者
-
有本 実
信州大学農学部AFC昆虫生態学研究室
-
中村 寛志
信州大学農学部AFC昆虫生態学研究室
-
Nakamura Hiroshi
Shinshu Univ. Nagano
-
中村 寛志
信州大学農学部
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