サクラマスおよびシロサケ受精卵中におけるIHNVの消長に関する研究
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概要
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The possibility of vertical transmission of infectious hematopoietic necrosis virus (IHNV) was studied using the eggs of masu salmon Oncorhynchus masou and chum salmon O. keta. One day after incubation, IHNV was not detected from the eggs of masu salmon and chum salmon contaminated with IHNV. Eggs just after fertilization, and eyed eggs were injected intraoviumly with IHNV by microglass needle. Infectivity of IHNV inside the eggs decreased gradually and could not be detected 1 week or 5 weeks after incubation. This reduction rate of IHNV infectivity in the fertilized egg was similar to that found in the mixture with IHNV and the homogenized egg contents. Several kinds of phospholipid, amino acid and vitamin those were components of yolk showed anti-IHNV activity. In the eyed eggs, the embryos of both masu salmon and chum salmon were infected with IHNV, and this infectivity increased rapidly and reached more than 10^6.5 TCID50/fish. The cumulative mortality of both masu salmon and chum salmon were 90%. The rate of susceptibility of hatched-out masu salmon and chum salmon fry against IHNV were different, and the cumulative mortality was more than 90% in masu salmon and 20 to 30% in chum salmon artificially infected with IHNV by immersion method. From above results, we concluded that the vertical transmission of IHNV is doubtful.サクラマスとシロサケの未受精卵および受精卵を供試し,人為的にIHNVで汚染した後の死卵率およびウイルス感染価の消長を観察するとともに,卵内成分のIHNV感染価に及ぼす影響についても検討し以下の結論を得た。1) 両魚種ともに,受精時に卵あるいは精子が汚染されても死卵は見られず,ウイルスも検出されなかった。2) 受精直後の卵内にIHNVを接種した場合,サクラマスで3週間以内,シロサケで5週間以内に全卵死亡したが,ウイルスはサクラマスで1週間後,シロサケで5週間後に検出限界以下となった。3) シロサケの未受精卵内容物にIHNVを懸濁した場合,ウイルス感染価の漸減傾向が観察され,セファリン,グルタミン酸,フェニルアラニン,トリプトファン,ピリドキサルリン酸および葉酸にウイルス不活化効果が観察された。4) 発眼卵内にIHNVを接種した場合,サクラマスでは7日以内に全個体,シロサケでは15日以内に90%が死亡し,両魚種とも一尾当り10^6.50TCID50/g以上のウイルス感染価が得られた。
- 日本水産学会 = The Japanese Society of Scientific Fisheriesの論文
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