ブランド価値評価の方法論に対する検討―ブランドステレオタイプと購買の関係性―
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究の目的は、地域ブランドや企業ブランドにおける「ブランド価値」を評価するための方法論について検討することである。本研究では、特に「ブランドステレオタイプ」が「購買」に与える影響に注目して、ブランド価値の測定と評価を試みた。ブランドステレオタイプとは、あるブランドに対して抱くイメージの認知パターンである。本研究の評価対象には、長野県塩尻市の地域プロダクトを用いた。1次調査では、8つの地域プロダクトの認知度とブランド志向について測定をおこない、塩尻市への訪問経験別の分析によって5つの地域プロダクトを選出した。2次調査では、5つの地域プロダクトについて19の価値イメージと購買頻度を測定した。ブランドステレオタイプの構造を把握するため19の価値イメージにっいて因子分析をおこなったところ、5つの価値志向「超越的価値志向」「安定的娠値志向」「絶対的価値志向」「共通価値志向」「文化的価値志向」を見出した。さらに、これら5つの価値志向が購買頻度に与える影響について重回帰分析を行ったところ、5つの価値志向で購買頻度の30%を説明できることが示された。また、安定的価値志向と共通価値志向を中心としたブランドステレオタイプは地域プロダクトの購貿頻度の増加に繋がるが、絶対的価値志向は地域プロダクトによっては購買頻度の減少に繋がることが示された。本論文の結果より、ブランド価値の評価においては、ブランドステレオタイプや購買状況を独立に測定するだけでなく、それらの関係性を考慮することの重要性が示された。The purpose of this study is to examine the methodology of the brand value evaluation. In particular, we paid attention to relationship between a brand stereotype and purchasing. A brand stereotype is cognitive pattern of image against brands. In this study, we used place products of shiojiri city as an evaluation objects. First investigation, we measured cognitive degrees and brand loyalties about eight local products and picked five place products by analysis of the visit experience of shiojiri. Second investigation, we measured 19 value images and purchasing frequency about five place products. To confirm the structure of the brand stereotype we took a factor analysis about 19 value images. After factor analysis we found the five value intentions "Value intention for Transcendence", "Value intention for Stability", "Value intention for Absoluteness", "Value intention for Commonness", "Value intention for Culture". And a multiple regression analysis about five value intentions and purchasing frequency was shown that 30% of the purchasing frequency could explain by five value intentions. Moreover, the brand stereotype mainly on "Value intention for Stability" and "Value intention for Commonness" led to increase of the purchasing frequency of the place product, but "Value intention for Absoluteness" led to decrease. As a result, In the evaluation of the brand value, it is important that we consider a relationship between stereotype and the purchasing situation.
- 2007-12-31
著者
関連論文
- 安曇野の地域イメージに関する比較意識調査
- 安曇野地域の特産品および水に関する市民意識
- ブランド価値評価の方法論に対する検討―ブランドステレオタイプと購買の関係性―
- 現代マーケティングにもとづいたシステム開発 : 消費者ニーズを製品に活かす手法
- PA057 減法の求差場面に対する作問内容の発達的変化
- 作問課題による小学1年生の減法場面理解の検討
- PF2-46 算数文章題と作問課題による減法の場面理解の検討(教授・学習)
- PG052 大学生と小学生の求残・求補・求差の減法作問
- 「地域ブランド構築の実践的事例」 : 塩尻地域のブランド化への取組み(特別企画・信州の地域ブランド戦略)
- 地域ブランド学序説(地域ブランド学の可能性)
- 水を混合したときの温度変化に関する小学生の判断
- PISA2000調査が測定する数学的リテラシーの側面
- 不備のある算数文章問題に対する小学生と高校生の解決方略
- 算数文章題における小学生による軌跡表現の特性
- FUMIEテストを用いた「おたく」に対する潜在的態度調査
- NPO法人 信州・大学地域連携プロジェクトの試み(一般講演2)
- NPO 法人 信州・大学地域連携プロジェクトの試み
- 小学2〜5年生の複数解を考える数的思考
- マルチメディア英語教材の評価
- 児童の複数解を考える数的思考に関する研究(教育心理学関係 博士論文要旨(2005年10月〜2006年9月))
- PB084 答えが複数ある文章題の正答率と算数テスト得点の関係(ポスター発表B,研究発表)
- PD69 小学生における答えが複数ある文章題の学習定着率(教授・学習,ポスター発表D)
- 小学生は答えが複数ある文章題をどのように解くか
- 小学生の混合液体の温度判断に関わる知識と方略
- PE61 小学生は答えが複数ある問題をどのように解くか
- PG64 条件不足な文章題における小学生の解および評価
- PA61 確率問題における情報付加の効果(2)
- PA60 確率問題における情報付加の効果(1)
- 山と人のシステム論 : 山岳地域における人と自然の共生学
- われわれはいかなる学を形成してきたか : 学会誌掲載論文ならびに大会発表の計量分析を通してみた社会情報学研究の特徴
- 医療情報に関する市民等の意識調査 : 新聞記事の内容分析に基づいて
- 小学2年生の乗法場面に関する理解
- 算数作問により期待される教育的効果