知識としてのマスタデータに関する一考察 -MDMエージェントを介したアクセスから見えてきたこと-
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
一般にマスタファイルは,商品マスタや取引先マスタのように,トランザクションデータから分離された被参照ファイルである.たとえば注文データの処理では,その処理プログラムは商品マスタや取引先マスタを読んで,注文データの妥当性を確認し,商品の単価を参照して金額を計算したり,取引条件を参照して納入日のルールによってその振る舞いを変えたりする.本稿では,マスタデータを知識ととらえて,マスタデータに質問すると答えるエージェントを考える.たとえば,処理プログラムが注文の商品は 9 月 15 日に納入できると判定したのち,その取引先に納入可能日を尋ねるとする.その取引先の納入日のルールは,「月水金で,その日が休日の場合は直後の稼働日」 となっていた場合,エージェントは 9 月 17 日と答えを返す.処理プログラムがルールを読んで解釈しないようにする.また,製造業における部品表や製造手順表を知識ととらえて,作るべき製品の製造手順をエージェントに尋ねるとする.エージェントは製品のオプションの組合せを解釈して一連の製造指示データを生成して返す.このようなエージェントを MDM (マスタデータ管理) システムとして実装することで,"マスタ" の本質と実装のあり方について考察したことを述べる.
- 2014-09-03
著者
関連論文
- 情報システム設計における概念モデリング(知能ソフトウェア工学〔第5回〕)
- 情報システムサイクルと原要求の記述(情報システム設計論)
- 情報システム学的パタン・ランゲージの再発見(MDAとパターン)
- 計画と実行プロセスを扱う一般モデル : 生産管理と金融業務のモデルの共通性について(次世代経営情報技術,その他)
- 4H-5 部品表の統合に関する一考察(情報・データの管理,一般セッション,コンピュータと人間社会)
- 少量多品種型生産管理システムの一般モデルCHARMの提案(情報システムの開発と運用,社会的課題に挑む情報システム)
- S1402-1-1 標準技術の相互活用による工場内情報連携(第1報) : MESXによる製販一体化3層4層(生産システムの新展開(応用・実践1))
- システム間インタフェース試論-バリエーションの源泉-
- オブジェクト指向・エージェント技術の動向
- 標準技術の相互活用による工場内情報連携 : MESXプロトコルによる製販一体化(生産システム部門研究発表講演会2010)
- 情報システムパタンランゲージ編纂へのいざない
- 情報システム学的パタン・ランゲージの再発見(MDAとパターン)
- 生産システムの革命(3)MASP概念の適用
- 生産システムの革命(2)製造技術データのあり方を問う
- 生産システムの革命(1)MASP概念とその進展
- リッチピクチャと因果ループ図の補完的使用について(情報システムとモデリングおよび一般課題)
- ユースケースの使い方に関する提案(一般)
- 学科の教育デザインを効果的に推進するために : LUとカリキュラム作成支援システム(若手の会口頭発表(2))
- 加工組立系情報連携デモ--MESXジョイントプロジェクトの狙いと成果 (標準化技術の連携による生産情報の革新--『MOF2008』にみる潮流) -- (連携デモプロジェクト--その目的と進展方向)
- 生産管理システムの概念モデルと生産座席予約の意味
- UMLによるビジネスモデリングの試み(その2)(ビジネスモデルSI業界での最上流を強くし, 国際競争力をつけることを目的とする)
- 計画/実行/制御系の情報連携とMESの役割--実証デモを通して (総特集 工場イノベーションへの"見える化"の実践--情報の共有化・知覚化のすすめ) -- ((1)情報連携・統合のためのMESの活用)
- 課題処理における並行プロセスについて : パソコンによる内田クレペリン検査を題材として
- MESXにおける生産管理のモデルと原価管理 (特集 ものづくりのIT化と原価計算・原価管理)
- 連続加算課題におけるエラーの内的過程について
- 製品のDNAと未来在庫
- (2)情報システムのためのモデリング
- ビジネスモデルとデータモデル
- オブジェクト指向と技術データ管理
- ボードオペの視点
- ひらがな日本語コマンドシステムに関する実験的考察--動詞の位置がパフォ-マンスに及ぼす影響と日本語コマンドと英語コマンドの比較
- ひらがな日本語コマンドシステムのコマンド名に関する実験的考察--コマンド名の有意味度がパフォ-マンスに及ぼす影響
- TSSにおけるコマンド名の有効性の評価方法について
- 計画・実行システムの一般モデル : 生産管理システムと金融業務システムの共通性
- ひらがな日本語コマンドシステムにおけるコマンド名と構造の効果に関する実験的考察
- 情報システムの有効性評価のガイドラインについて(中間報告)
- PBLで開発した情報システムを4年後に自ら評価してやり直す(モデル編)
- 204 標準技術の相互活用による工場内情報連携(第5報) : MESXによる製販一体化3層4層(OS2-1 先進システムにおける協調・連携I)
- 情報システムの有効性評価と統計手法の適用における問題について
- 学生プロジェクトが直面した問題事例とアジャイルによる対処可能性の考察
- 特集「社会活動を支える情報システム」の編集にあたって
- ポータルサイト運営者のための軽量マッシュアップ開発ツールの提案と評価
- 消費税計算のための概念モデルの作成と試実装
- ぺた語義:授業「システム思考入門」が目指すこと -ISECON 2012審査員特別賞を受賞して-
- 授業「システム思考入門」が目指すこと : ISECON 2012審査員特別賞を受賞して (ぺた語義(第31回))
- 消費税計算のための概念モデルとその継承
- 知識としてのマスタデータに関する一考察 -MDMエージェントを介したアクセスから見えてきたこと-