特別学級・代替学校における障害のある児童生徒の通常教育カリキュラムへのアクセスの現状と課題 : 米国イリノイ州第15学校区を中心に
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概要
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米国ではNCLB法とIDEAにより、障害のある児童生徒の通常教育カリキュラムへのアクセスが義務付けられている。本稿ではイリノイ州第15学校区における特別学級及び代替学校の視察から、実際の教育現場における通常教育カリキュラムへのアクセス状況を明らかにした。その結果、スタンダードに基づく教科書や教材の使用、試験への参加によりアクセスができていると判断されていた。一方、代替試験を受ける児童生徒が在籍している学級に関しては、教科のスタンダードに基づく教材は使用されていたものの、個々の目標は生活スキルに関するものであった。1日のうち教科に使う時間数も通常試験を受ける学級より100分ほど少なかった。NCLB法では教科に関する内容を中心に指導することが義務づけられていることから、法律と現場の間には乖離が見られた。導入が進められているコモンコアスタンダードがよりアクセスがしやすい内容か今後検討する必要がある。
- 障害科学学会の論文
- 2014-03-31
著者
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