都市における居住者の確率流と住宅市場の自己組織化
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
都市居住者のミクロな賃貸住宅物件契約行動に基づく賃貸住宅市場のマクロな振る舞いを定量的に解析するための確率モデルを提案する.その際, Gauvinら(2012)[1]によるパリ市を想定した「単一中心地モデル」に着目する.Gauvinらはエージェントの行動指針を「立地固有の魅力」「自分と生活レベルが同じか,それ以上のレベルの人々が集まる立地を選びやすい」という要素のみで取り込み,これら二要素で定義されるエージェントの状態遷移,賃貸契約プロセスの結果,賃貸料分布にある種の「空間的棲み分け構造」が生じることを示した.我々はGauvinらのモデルを拡張し,札幌市の賃貸物件データを再現することを試みる.具体的には各区に中心を持つ「複数中心地モデル」に対し,確率的に住居移動/取引決定を行う数理モデルを提案する.計算機実験により,賃貸料分布にいかなる構造が創発,自己組織化されるかを明らかにするとともに,札幌市の賃貸料分布に関する実データ解析との比較結果を報告する.さらに,エージェントの住居移動/取引決定が「居住地と職場との距離」に基づく場合についても検討する.
- 一般社団法人電子情報通信学会の論文
- 2013-01-17
著者
関連論文
- 確率的画像処理におけるランジュバン方程式に基づく周辺化事後確率最大推定の構成法(ニューロハードウェア,ヒューマンインターフェース,一般)
- 遺伝的アルゴリズムにより生成される遺伝子配列からのギブス分布の学習(ニューロハードウェア,ヒューマンインターフェース,一般)
- 相互作用するミクロなトレーダ群のマクロな振る舞い : マイノリティ・ゲームに基づく金融市場の確率モデルとその動力学
- 25aQL-11 量子アニーリングヘの大自由度極限からの解析的アプローチ(情報統計力学,領域11,統計力学,物性基礎論,応用数学,力学,流体物理)
- 印刷技術における逆ハーフトーン処理への統計力学的手法の応用(機械学習によるバイオデータマインニング,一般)
- マルコフ確率場を用いた動画像処理における移動速度のベイズ推定に対する平均場アプローチ(ニューロハードウェア,ヒューマンインターフェース,一般)
- NNSPワークショップ参加と同時多発テロの米国からの帰国
- 非加法的統計力学により拡張された確定的アニーリングEMアルゴリズムの巡回セールスマン問題への応用
- 非加法的統計力学により拡張された確定的アニーリングEMアルゴリズムのダイナミックス解析
- 群知能シミュレーションにおける異方性の創発とその解析評価
- 量子ホップフィールド模型の想起過程(一般及び雑音を有効利用する神経系やそのモデル)
- 量子ホップフィールド模型の想起過程(一般及び雑音を有効利用する神経系やそのモデル)
- 確率的労働市場の非線形性と動的振る舞い
- 多次元尺度構成法と混合分布推定に基づく時系列相互相関解析(一般,複雑系とニューロコンピューティング)
- ソーラス符号における量子揺らぎの復号性能(一般,複雑系とニューロコンピューティング)
- 平均場イジング模型の臨界現象と時系列予測(一般,複雑系とニューロコンピューティング)
- 確率的労働市場における求職者スコアに基づくジョブマッチング : 内定数格差の創発
- ソーラス符号における量子揺らぎの復号性能
- 確率的労働市場の非線形性と動的振る舞い
- 平均場イジング模型の臨界現象と時系列予測
- 多次元尺度構成法と混合分布推定に基づく時系列相互相関解析
- 3状態ランダム磁場イジング模型に基づく金融危機の特徴付け
- 都市における居住者の確率流と住宅市場の自己組織化
- 都市における居住者の確率流と住宅市場の自己組織化
- TVコマーシャル市場の確率モデル
- TVコマーシャル市場の確率モデル
- 確率的労働市場における求職者スコアに基づくジョブマッチング内定数格差の創発