骨髄移植ドナーコーディネーターのコンピテンシーの作成 (1)
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概要
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骨髄移植ドナーに関わるコーディネーターは、骨髄移植を待つ患者と、自由意思に基づく骨髄提供者 (ドナー)との架け橋となる重要な存在である。コーディネーターがコーディネート上の種々の問題に対処できる能力を一層高めるためには、目的を的確・適切に達成する際に必要な能力や技術である「コンピテンシー」の活用が有効である。そこで本研究においては、コンピテンシー作成の第一段階として、コーディネーター自身の考える「コーディネーターとして必要とされる能力」を明確化することを目的とした。 調査協力者は骨髄移植推進財団より委嘱されたコーディネーターおよび事務局員150名であり、回答が返送された124名を分析対象とした。調査協力者はコンピテンシーの概念および作成の目的について説明を受けた後、コーディネーターとして必要だと思う能力を自由記述した。分析はKJ法により、すべての記述を「技能」「態度」「知識」の3観点から分類した。 その結果、「技能」の観点においては、「コミュニケーション能力」、「処理能力」、「組織との連携」という3側面が挙げられた。とくに「コミュニケーション能力」が重要視されていることが示唆された。「態度」の観点においては、「人間性」、「協調性」、「柔軟性」など8側面が挙げられた。中でも「人間性」は多種多様な側面から構成されていた。「知識」の観点においては、「医学知識」、「コーディネートの知識」、「一般常識」の3点に分類された。 今後コンピテンシーを作成する際には、中でももっとも重要と考えられる「コミュニケーション能力」と「人間性」の2側面をまず取り上げ、構成要素を明確にすることと、行動を具体的に記述することの必要性が示された。
- 2010-03-01
著者
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