骨髄移植ドナーコーディネーターのコンピテンシーの作成(2)
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概要
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本研究は骨髄移植コーディネーターのコンピテンシーを作成することを最終目的とした。調査協力者は(財)骨髄移植推進財団より委嘱されたコーディネーターおよび事務局員150名であった。 研究I においては、コーディネーター自身が考える「コーディネーターとして必要とされる能力」(大木・小林,2009)のうち、「コミュニケーション能力」と「人間性」の2側面の構成要素を明確化することを目的とした。調査協力者は、「コミュニケーション能力」と「人間性」に該当する行動を列挙し、KJ法により分類を行うよう求められた。最後に「コミュニケーション能力」と「人間性」別に、全体の意見を調査者が集約した。 その結果、「コミュニケーション能力」では「相手が話しやすい雰囲気づくりをし、傾聴・受容することができる」と「相手の立場・状況・理解度に応じて、わかりやすい説明ができる」の2点に集約された。「人間性」としては、「相手に安心感を与える雰囲気をつくることができる」、「コーディネーターとしての自覚を持ち、責任感を持った行動が取れ、柔軟な対応ができる」、「思いやりや感謝の気持ちを持ち、誠実な対応をすることができる」の3点に集約された。 研究II においては、「コミュニケーション能力」と「人間性」それぞれに含まれる具体的行動をレベル別に分類し、コンピテンシーを作成することを目的とした。調査協力者は、日頃のコーディネート活動を想定した具体的行動・表現・言葉などを3段階のレベル別に列挙し、まとめるよう求められた。 その結果、「コミュニケーション能力」は「説明力」「傾聴力」「理解力」「対応力」「連携」の5側面に分類された。また「人間性」は「あたたかい心」「冷静な対処」「コーディネーターとしての自覚・向上心」の3側面に分類された。それぞれの側面において3つのレベルの目安が示され、さらに状況別の具体的行動が列挙されたコンピテンシーとチェックシートが作成された。 具体的な行動が状況別に示されているコンピテンシーは本研究独自のものである。本研究で作成されたコンピテンシーは、今後コーディネーターが自らの対処能力を高め、より成長する上で役立つ重要な資料になると思われる。
- 文教大学の論文
- 2011-03-01
著者
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