日本語能力簡易試験(SPOT)における音声テープの役割に関する研究
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概要
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日本語能力簡易試験(SPOT)は、音声テープを聞きながら解答用紙に書かれた同じ文を目で追っていき、文中の( )に聞こえた音(ひらがな1字)を書き込ませる形式のテストで、日本語学習者の日本語能力を簡単かつ短時間で測定するものである。本稿では、SPOTにおけるテープの要因を検討し、テープが被験者にどう影響しているかを見るために、テープ無しでも実施した。その結果、成績上位群では、有テープ版の方が成績が良かったが、下位群では無テープ版の方が成績が良く、有意差も見られた。このことから、テープは、実時間処理のできる日本語能力の高い者には正答を助けるように働くが、一方、そうでない低い者には、処理の未熟さから時間的制約が生じる点で負に働き、その役割を異にすると言えよう。
- 日本語教育方法研究会の論文
- 1994-09-27
著者
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