絶滅危惧植物ツクシガヤの種子発芽特性と種子保存方法
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概要
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水湿地に生育する絶滅危惧植物ツクシガヤ(イネ科)の保全に向け、その種子発芽特性と種子保存方法を明らかにするために数種の発芽試験を行った。段階温度法による試験の結果、本種は散布された段階では休眠状態にあり、休眠解除には2〜3週間程度の冷湿処理が必要であること、高温により二次休眠が誘導される性質をもつこと、発芽可能な温度域の下限は20℃付近にあることが示唆された。これらの結果から、本種の種子は秋季に散布された後、冬季に休眠解除され、春季に発芽していると考えられた。前処理の水分条件を変えた試験の結果、数ヶ月の冠水は種子の発芽能力に負の影響を及ぼさないこと、発芽時の水位条件を変えた試験の結果、数cmの冠水は種子の発芽を妨げないことがわかった。これらの水分・水位条件に対する性質は、頻繁に冠水する水湿地で定着するための有効な特性と考えられた。保存条件を変えた試験の結果、本種の種子の大部分は、遮光アルミパックへの抜気封入処理により、少なくとも3年は発芽能力を保持することが確認された。本種の保全に向けては、現存個体群の保護、生育立地の維持と共に、抜気封入処理による種子保存を補完的に進めていくことが有効といえる。
- 2011-11-30
著者
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服部 保
兵庫県立大学自然・環境科学研究所
-
黒田 有寿茂
兵庫県立大学自然・環境科学研究所
-
石田 弘明
兵庫県立大学自然・環境科学研究所
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服部 保
兵庫県立人と自然の博物館自然・環境再生研究部
-
石田 弘明
兵庫県立人と自然の博物館自然・環境再生研究部
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服部 保
神戸大学自然科学研究科
-
服部 保
兵庫県立人と自然の博物館:姫路工業大学自然・環境科学研究所
-
服部 保
神戸大学大学院自然科学研究科
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服部 保
姫路工業大学自然環境科学研究所:兵庫県立人と自然の博物館
-
石田 弘明
兵庫県立大学 自然・環境科学研究所兵庫県立人と自然の博物館
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服部 保
兵庫県立大学 自然・環境科学研究所
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ISHIDA Hiroaki
Institute of Natural and Environmental Sciences, University of Hyogo
-
服部 保
兵庫県立大学自然・環境科学研究所:兵庫県立人と自然の博物館
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黒田 有寿茂
兵庫県立大学自然・環境科学研究所:兵庫県立人と自然の博物館
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石田 弘明
兵庫県立大学 自然・環境科学研究所
-
黒田 有寿茂
兵庫県立大学 自然・環境科学研究所
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黒田 有寿茂
兵庫県立大・自然・環境
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