ニホンジカが暖温帯夏緑二次林の種多様性と種組成に与える影響
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概要
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近年、ニホンジカ(以下、シカ)による暖温帯夏緑二次林の食害が多くの地域で認められるようになってきた。本研究では、シカの採食による暖温帯夏緑二次林の種多様性・種組成の変化の特徴について検討するため、兵庫県南東部と大阪府北西部の暖温帯に分布する(1)シカの採食を全くあるいはほとんど受けていない夏緑二次林(以下、無被害林)と(2)シカの採食を強く受けている夏緑二次林(以下、被害林)に100m^2の調査区を合計50個設置して植生調査を行った。シカの採食可能な範囲にある低木層(高さ約2m)と草本層の植被率は被害林の方が無被害林よりも有意に低かった。両階層の落葉植物種数(/100m^2)もこれと同様の傾向を示した。低木層と草本層の落葉植物種数を生活形(高木、低木、草本、藤本)ごとに比較した結果、落葉植物の種多様性は生活形の違いに関わらずシカの採食による負の影響を受けること、また、低木層の種多様性は草本層のそれよりもその影響を受けやすいことが示唆された。低木層と草本層の種組成は森林タイプ間で大きく異なっており、多くの種が無被害林の識別種として区分された。しかし、被害林の識別種は両階層ともにシキミだけであった。以上のことから、シカの採食は暖温帯夏緑二次林の種組成を著しく単純化させると結論した。
- 日本生態学会の論文
- 2010-11-30
著者
-
服部 保
兵庫県立大学自然・環境科学研究所
-
黒田 有寿茂
兵庫県立大学自然・環境科学研究所
-
橋本 佳延
兵庫県立人と自然の博物館自然・環境再生研究部
-
石田 弘明
兵庫県立大学自然・環境科学研究所
-
澤田 佳宏
兵庫県立大学大学院緑環境景観マネジメント研究科
-
服部 保
兵庫県立人と自然の博物館自然・環境再生研究部
-
石田 弘明
兵庫県立人と自然の博物館自然・環境再生研究部
-
服部 保
神戸大学自然科学研究科
-
服部 保
兵庫県立人と自然の博物館:姫路工業大学自然・環境科学研究所
-
服部 保
神戸大学大学院自然科学研究科
-
澤田 佳宏
兵庫県立大学大学院緑環境景観マネジメント研究科:兵庫県立淡路景観園芸学校
-
澤田 佳宏
兵庫県立大学自然・環境科学研究所:兵庫県立淡路景観園芸学校
-
服部 保
姫路工業大学自然環境科学研究所:兵庫県立人と自然の博物館
-
石田 弘明
兵庫県立大学 自然・環境科学研究所兵庫県立人と自然の博物館
-
服部 保
兵庫県立大学 自然・環境科学研究所
-
ISHIDA Hiroaki
Institute of Natural and Environmental Sciences, University of Hyogo
-
江間 薫
近畿中国森林管理局
-
橋本 佳延
兵庫県立人と自然の博物館
-
服部 保
兵庫県立大学自然・環境科学研究所:兵庫県立人と自然の博物館
-
黒田 有寿茂
兵庫県立大学自然・環境科学研究所:兵庫県立人と自然の博物館
-
澤田 佳宏
兵庫県立大学:兵庫県立淡路景観園芸学校
-
澤田 佳宏
兵庫県立大学
-
石田 弘明
兵庫県立大学 自然・環境科学研究所
-
黒田 有寿茂
兵庫県立大学 自然・環境科学研究所
-
黒田 有寿茂
兵庫県立大・自然・環境
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