筑波山の森林の林床における蘇苔類の種多様性と上層木および落葉,岩との関係
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概要
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1.茨城県筑波山の森林を対象に,落葉と岩の被覆率の違いに着目して設定した調査地点ごとに林床蘇苔類の分布状況を調査し,上層植生,落葉,岩と蘇苔類の分布様式との関係を総合的に検討した. 2.低山帯の林床に出現する蘇苔類の種類や種数は,高木層まで発違した森林植生であれば,高木層の高さや植被率あるいは森林タイプの違いにより大きく変化することはなかった. 3.落葉の被覆率が低く,岩の被覆率が高い林床では,蘇苔類の出現種数が多かった.逆に落葉の被覆率が高く,岩の被覆率が小さい林床では,出現種数が少なかった. 4.落葉に被われにくい岩は,林床蘇苔類にとって最も重要な生育環境を提供していた.特に大きな岩が存在することが,林床蘇苔類の分布にとって重要な条件となっていた. 5.低山帯における岩上においても,大きな岩では生育形数が増加し,階層構造が複雑化していた. 6.低山帯における林床蘇苔類の種多様性は,岩の分布量,特に大きな岩の分布量により規定されていた.
- 植生学会の論文
- 2002-12-25
著者
-
杉村 康司
千葉大学大学院自然科学研究科
-
沖津 進
千葉大学園芸学部緑地生態学研究室
-
杉村 康司
千葉大学大学院自然科学研究科:(現)独立行政法人医薬基盤研究所薬用植物資源研究センター種子島研究部
-
沖津 進
千葉大学園芸学研究科
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